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住宅関連記事・ノウハウ

建築家 天野 彰 いくつになっても住める家 今なぜ50代云々が大流行?

1 50代は人生の半分。家族の人生も考える大切な時期

そこで家づくりの前に、わが身とこの先の将来を考え、イラストのような人生80年のアナログの時計の文字盤を描きそこに自分の姿と人生を描くと人生と家族の住まい方や家の様子が見えてくるのです。

現代はこの時計を100歳\に置き換えて考える。

人生80のアナログ時計(画 天野彰)
人生80のアナログ時計(画 天野彰)

するとその真下が50歳。今50代の人は人生の真半分の折り返し地点。あと50年もの長きに渡って人生があり、その家に住むことになるのです。自身の健康、生きるための経済、不測の災害の可能性なども見えてくる。それが50代云々の流行りの訳なのです。こうして50代としてわが100年時計をよく見ると子どもたちの時計に孫、そして自分たちの親の時計も見えて一緒に回っていることも分かってくるのです。50代は長寿の親、わが子、孫の人生を観る大変な時期なのです。

夫婦の家へ変えるポイントは、収納壁と適度な耐震

あらためてそこに住む子育てが終わったわが夫婦の家を観てみると子ども部屋が2つも空き部屋となって、しかも子どもたちの物もそのままです。これらのすべて整理し、その壁をすべて取り外してみるのです。するとマンションなどの3LDKなどの狭かった家がなんと広いことか!が分かるのです。

広い3LDKプランすべての壁を収納にすると7000冊の本(画 天野彰)
3LDKプランすべての壁を収納にすると7000冊の本(画天野彰)

その広い空間を夫婦だけの生活の場にすることです。そこで必要な部屋の仕切りを床から天井までの収納家具にするのです。これなら家のあらゆる物が納まり、地震でも倒れずまたこの先で間仕切りを変える際も間仕切り移動が簡単です。そしてこれから長く生きて行く間に必ず起こる地震などの災害ですが、いざとなったときの為に家の中、家の外の避難経路を常々確保をしておくことが重要となり。その際食器などが飛び出さないように引き戸やストッパー付きの扉にすることを手始めに、夜間パニックにならないために懐中電灯はペンライトのような小さなものをできるだけ多く、電池を外して粘着テープで留め、住まいのあちこちに各所にばら蒔くように置いておくなどの備えが大切です。これらの耐震補強は、リフォームや建て替えの際ついでに行う感覚で、必要以上に強靭な耐震を考えることではなく、逃げ出すために必要な補強工事をバランスよくするよう心掛けることが大切になってきます。

方杖(ほうづえ)の耐震補強リフォーム例(設計:A4A)
方杖(ほうづえ)の耐震補強リフォーム例(設計:A4A)

2 かつての「家づくり」から見る夫婦とは

11月22日は「1122(いいふうふ)」のゴロ合わせで、「いい夫婦の日」だと言うのです。1988年に余暇開発センターなるところが提唱したものだと言う。

もともと子育て優先、会社第一主義の30年ほど前の時代に、ちょっと足を止め「夫婦を見つめましょうよ」と言った趣旨で叫ばれたようですが、超高齢化社会となって子供たちは成長して出て行き、夫は毎日家に居るようになり、否が応でも毎日夫婦互いに顔を突き合わせ、どこが「いい夫婦」だ?と言わんばかりですが、そこで改めて今こそ「いい夫婦の家」とは何か、老いてこれから夫婦はどうあるべきか?のお話です。

そこで改めて大枚叩いて建てた、いや購入した今の家を見直してみるのです。すると果たして夫婦が、家族が、そして長い老後の生活に向けて、家は住みにくくボロボロということではこの先が心配でなりません。家のことは家内に任せているとか女房が気に入ればいいなどと言っていたツケかも知れません。思えば住宅展示場やマンションの仮設のモデルルームに行って価額やシステムキッチンなど表面的なところばかり見てポンと決めて、建築現場に足しげく通ったり、ヘルメットをかぶり、その工事の状況を自分の目で確かめ、柱の太さや梁など素人目にもたくましく感じ、設備の配管配線など確かめたかどうかいささか疑問です。愛情あふれる夫婦の家づくりのはずだったのですが・・・。

もともと家づくり・家選びは、古今東西夫の役目です。そこで今、夫婦で散歩のつもりで展示場や公開現場など一緒に見学し、改めて現代の家がどうなっているかを学び、夫婦のこれからを探るのです。それこそがまず夫婦を見直す良い機会となるのです。すると改めて気になることは、かつての家づくりは夫婦のウエート、いや夫のウエートが低かったことに気が付きます。子育ての生活で、互いの寝室を分けてしまったり、子どもが出て行った後はその子ども部屋に妻が移りついには1階と2階とに分かれて休んでいるなどです。

家の見直し時のポイントは寝室

この家の見直しの時こそ「オレに任せろ!」くらいの気迫で、いざと云う時離れて寝ていては危険だ。子ども部屋を一つの寝室にし間にふすまを建て、いびきや寝起きの時間差や暑さ寒さの温度差をエアコン別々にし、さらに老いて身体が不自由になったときのことを考え、家事やトイレなどの水回り設備をすっきりシンプルにコンパクトにするなど提案をするのです。

子ども部屋の壁を壊しそこを襖で開け閉め?夫/婦寝室(天野彰)
子ども部屋の壁を壊しそこを襖で開け閉め 夫/婦寝室(天野彰)

なんと意外や意外、その夫の溌剌とした姿勢に奥さんもきっと改めてほれ直してくれるはずです。

「夫/婦寝室」のプラン例(天野彰)
「夫/婦寝室」のプラン例(天野彰)

「カニの横歩き」すっきり家事周り・トイレを寝室の近くに(天野彰)
「カニの横歩き」すっきり家事周り・トイレを寝室の近くに(天野彰)

家づくりは、夫婦のあり方を見つめ直すチャンス

確かに最近の家づくりで、夫婦のあり方を見ていると、なぜか結婚することの“意味”が気になるのです。かつての「適齢期」などの言葉が今の子どもたちには死語となり、独身貴族などといった未婚者神話のような時代となっているのです。さらに熟年夫婦の離婚も増え、家はいったい何の意味を持つのか?家の価値も家を持つ意味も怪しくなるのです。これからの夫婦は互いの将来をどう考えているのか?どう生きて行くのか?を確かめて、今一度夫婦の愛や思いやりとは何かを、この住まいづくりやリフォームのチャンスで、原点から確かめるのです。

3 なぜ今「老い」が問題になる?

誰もいつかは必ず老いるのです。多くの家づくりのお手伝いをして来ていつも思うのは関心事が子育てのことで、この若い家族もいずれその子どもたちはあっという間に成長し出て行き、残された夫婦は老いて、さらに老後の生活を送り続ける。まったくあたり前のことです。

誰もが分かっていることのはずだが夢の家づくりの際にはそんな水を差すような暗い話など言うことはなかったのです。あらゆるハウスメーカーのコマーシャルを見てもセールの際も老いる問題はあえて億尾にも出さなかったのです。そして今、そんな家にあまりにも多くの老人たちが過ごしているのです。はては空き家となり朽ちてその家でまさに生きているのではなく黙々と暮らしている訳でもなく、過ごしているようなのです。いったいなにを過ごそうとしているのか?こうした人が老いることが新たな問題のようになって、突如断捨離だの終活などと実に暗い人生の終局のような話題が多いのです。

果たして同時に家を建てたりあるいはリフォームをしたり、もっと言えば家を持とうと言うことさえ誰もが興味を失っているかのような時代になっているのです。一体何が起こったのでしょうか?

時が経ちことで落ち着と刺激を持った家づくり

わが住まいに創造力と優しさが発揮されていないのです。昔の建物は歴史があってしかも枯れてこそ落ち着くような工夫がなされていたのです。 それこそが本来のデザインだったのです。ところが家も車も売れそうな形だの機能だのの情報を集め平均化して無難な方向を選び、まるで世界の好みの車や住まいの平均値のようなものになっているのです。これこそAIの発想であり、生活も好みも個性もすべて画一化されてしまいそうなのです。そこで今、改めて自分たちはどんな老いの生活をしたいかを創るのです。溢れるあらゆる情報や事象や光景に、自分たち自身がAI化してしまっていることに驚くと言われるのです。

しかしここで改めて老いてこそできる楽しみや遊びさらには感傷など工夫し創造するのです。介護や防災や防犯の非常センサーなどのセキュリティは機械やAIに任せ、そして自分たちの生活動作は通説のバリアフリーに頼るのではなく、あえて“不都合にして”リハビリ効果を身体にしみこませるのです。あえて住まいが便利ではなく劇的な情景や刺激を持たせることが重要なのです。ちょっと抽象的で乱暴な言い方となりましたが、具体的には一人で腰をづらしてでもトイレに行ったり、あえて段差を設けなど生活に変化をもたせることなのです。

わが家の自力トイレ浴室(天野彰)
わが家の自力トイレ浴室(天野彰)

浴室のすのこ床で洗う(画:天野彰)
浴室のすのこ床で洗う(画 天野彰)

4 自力で生きて行く

この時代になって改めて思うことはいったい家は何のためにあるのだろう?果たして家は本当は必要なのか?と言うことなのです。えッ?と思われる方も多いでしょうが、いろいろな形の家がありさらに高層のタワーマンションしかり、住宅街にできたミニ開発の分譲住宅、どれもきわめて機能的でコンパクトで合理的にできているセンスの良い家なのですが。

現代の家は何かが足りない?

なぜか皆覚めていると言うか?ただ帰って寝るだけのまるでビジネスホテルにでも泊まっているかの様な家が多いと言うのです。合理的過ぎていったい何が足りないのでしょうか?

そこに住む人たちに訊ねても特段不満があるわけでもなく怪訝な顔をされるのですが、こんな時ふと極端な事例を思い出すこともあるのです。たまたまで多くの人の意見ではないと思うのですが、仮設住宅からやっと復興住宅ができて越して来たのが、落ち着かない、わが家と思えないなどと言うのです。なるほど住めば都で、あの不便で狭苦しい仮設住宅が懐かしいのではと思いそうですが、どうもそんな感傷的なことでもなく、「なんか?乾いていると言うか、温かみがない?さらには愛着が持てず、ビジネスホテルのように早く家に帰りたいような気がするなどとも言う?

家に戻るなんとあの悲惨な経験をされ、不自由な仮設住宅からの待望の復興住宅のはずだったはずなのにいったいどうしたと言うのでしょう。何が不足しているのでしょうか?しかもこのような事態に礼儀をわきまえ感謝の念を重んじているはずの年長者の方の感想なのです。

家は人や子どもを育む場所

こんなことから改めて開発者であり住まいの設計者である私たちの新たな反省点でもあるのです。実際にあちこちに林立する安全で機能的なタワーマンションに移り住んだお年寄りや、さらにこれからの時代の若い人たちもがこうした何かが足りないクールな住まいの形式でしか感性を養えないことが大問題なのかも知れません。そう、住まいは人や子どもたちを育むところなのです。しかもこれからの住まいは新たに開発された都市の中でも季節を感じられ潤いを与えられるものでなければいけないのかも知れません。しかしこれは単に開発者だけの問題でもなさそうです。

果たしてこのITの時代に求められる家とは一体何であろうか?確かに車同様に持つものではなく借りるものになるのだろうか?ではその借りる家の価値とは?

2018年もあとわずかです。しかし新たな年に向けて新時代の住まい、そして住むこととは何かを皆さまと一緒に考えてみたいものです。どうぞご意見もお聞かせください。

5 街も家も住む人しだい

国内外でいろいろな課題を抱えたままの新年号は晴れて皆解決の年代となるように願いたいものです。

多発する災害に地域全体そして、個々でどう考える?

実際に近年起った災害の多くは人が多く集まる都市の中枢から外れ国家的混乱には至っていないものの唯一あの阪神地震に見るように新幹線や幹線道路などが寸断され国中に大きな混乱を招いたことは記憶に新しいものです。これがあの阪神大震災の三宮や熊本の都市部での混乱に対して、高層過密化した東京や大阪名古屋などの巨大都市に起きたと仮定するといったいどのような大災害になるのか皆目創造も出来ないものです。その視点で今の都市部、湾岸沿いの有様を見ると最高震度の揺れや、想定外の津波の発生を想像するとぞっとするものです。しかし現実は誰もそれをあす起こるかも知れないと警戒しているようにはとても思えないものです。しかしオリンピックを間近に迎えその成功に標準が定められた今、そこに住む人々は自らの住む位置と存在を都市や国家レベルで考える心構えだけは必要と思えてならないのです。

もっと直近は家族の心配をする自分自身、すなわちわが身の置き場そして健康や安心こそが重要に見えてくるはずです。これは他人や行政に即されるものではなく、今や誰もが自身でそうしなければならない事実に気付くはずなのです。あの福島原発のように災害に対して少しの配慮の無さで実際に想定外の大災害になったり、利益優先で分譲される家や宅地が大きな被害を被ることにもなるのです。

阪神大震災の都市部の被害(写真:天野彰)
阪神大震災の都市部の被害(写真:天野彰)

実際に見渡すことが家づくりや家探しの第一歩

それらを防ぐ手だては簡単ではありませんが、ただ言えることは誰もが人に任せるのではなくその警戒の意識を持って暮らすことが一番と言えるのです。自身や家族のことはまず最優先として、情報は頼るより参考としながら常に周り全体のことを実際にわが目わが足で広く実感掌握することが何より自身の安堵の解決の糸口となるのです。家づくり・住まい探しもまずはこの視点が何よりで、そこから費用経済さらには好み、その将来性を見通すと、果たしてここで生涯の家を今求めるべきか?借りるべきか?果たしてこの町にいつまでも住むべきか?が、リアルに見えてくるのです。

こうして自身がこの町にいることの意味や役わりは世代と先々の暮らしまでが見えてくるのです。実はこれによってこの町にも住む人までもが変わってくるのです。実際に多くの被災地の中でもこうした町や村の人々によって災害を未然に防いだり最小限に食い止めた例は多いのです。

プロテクトハウスのプラン例(図:天野彰)
プロテクトハウスのプラン例(図 野彰)

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
 一級建築士事務所アトリエ4A ホームページ

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