住宅関連記事・ノウハウ
徹底解説!造作収納について
収納は、今も昔も私達の生活に密着した欠かせない存在となっています。
昔は、暮らしの中で収納に利用していたのは和箪笥や洋服箪笥などの置き家具と呼ばれる収納が一般的でした。置き家具とは、その名の通り置いて使用する家具のことです。人生の節目として新生活を始める結婚では、花嫁が嫁ぎ先へ婚礼家具セットを持って行ったものです。
しかし、その後生活スタイルや生活空間の変化に伴い、よりスッキリと広々とした空間が求められ、部屋に家具を置きたくないという人が増えてきました。こうして建物と一体化させる作り付けの造作収納が住宅収納計画の主流となり、“置き家具”は最低限の部屋のアクセント家具や作り付け収納で足りない分の収納として、また、ウォークインクローゼットの内部の収納として活用されることが多くなってきました。
1 置き家具収納メリット・デメリット
置き家具収納のメーカーやデザインは様々です。TVボードやチェストなど組合せてレイアウトするケースが多く、使う場所や用途に応じて各メーカーのサイズバリエーションの中から選びます。一般的には下記のような特徴がありますので、メリットをうまく活用して、部屋ごとや季節ごとにテーマを変えたり、コーディネートの幅を広げるのに役立つと思います。
置き家具収納のメリット
- ・比較的安価なものから価格の設定幅が広い
- ・設置後、気軽に移動・交換・追加ができる
- ・メーカーやデザインのバリエーションが多い
置き家具収納のデメリット
- ・部屋のスペースにピッタリのサイズで合わせることが難しい。
- ・壁との隙間や家具同士の繋ぎ目ができ建物との一体化が難しい
- ・家具自体での耐震性が弱い。(耐震用金物固定必要。)
CASA STYLE NEXUSシリーズ(CUCINA)
デザインは洗練されたシンプルなフォルム。理想のライフスタイルにフィットする4種類のカラーバリエーション。国内生産にこだわり、長年培った技術と経験を活かして人と空間を繋げる家具を目指しています。
RIKYUシリーズ(CUCINA)
モダンデザインの中に息づく日本の伝統美。新しいのにどこか懐かしい家具。天然木タモ材の突板を使用し、2色のカラーバリエーションからセレクト。ハンドルが付かない掘り込み加工は、熟練した職人の技術を感じさせる。
2 造作収納メリット・デメリット
ほとんどが、建物の間取りを決定する際に合わせて収納部を計画します。建物と一体化させるのでコーディネーターや設計士の方、または家具メーカーからの提案が不可欠となります。一般的には下記のような特徴がありますので、確認した上でどのような使い方をしたいか・どのように見せたいかなどを提案して頂く方へ詳しく伝えることが非常に重要になります。
造作収納のメリット
- ・規格サイズが無くどんな間取りや寸法にも合わせて作成可能
- ・素材や色を自由に選ぶことができる。
・用途やデザインに合わせて予算が幅広く設定できる - ・建物に作り付けるため、耐震性が高い。
造作収納のデメリット
- ・注文の仕方が分かりづらく、要望を伝えにくい
- ・仕上がりのイメージが想像しにくい
- ・設置後移設や変更をするのが難しい。
・素材・デザインを重視するととても高価になってしまうことがある
造作収納の提案例 (CUCINA 東京)
仕様やイメージが伝わりやすいように、カラーサンプルや素材サンプルをお見せしたり、 各メーカーで3Dイメージなど作成して提案しています。
カラーサンプル
左 塗装用カラーサンプル 右素材(天然木)
リビングボード
ハードメープル材突板を使用したリビングボード。左右の奥に照明を埋め込み、重厚感を演出。
暖炉を囲んだリビング収納
暖炉を囲んでシンメトリーにデザインされた埋めこみタイプの収納。飾り柱やモールディングもあわせてデザインされています。
キッチン、アイランドと連続した壁面収納
ホワイトオーク突板を使用した壁面一体型の収納。中間部分のガラリ状の扉を開けると、中にはスイッチやリモコン、液晶テレビが隠れている。造作収納に求められた進化です。今や住宅には欠かせない存在となった作り付けの“造作収納”ですが、採用数が増え、多くの方が長年使用するにつれて新たな要望が出てきました。
収納は、家族の歴史とともにあります。家族の成長とともに部屋の使用目的が変わると収納の使い勝手も変わります。そうすると、使い勝手が悪く感じて形状を変更したくなります。しかし、ここで造作家具の欠点である変更が難しいという壁に当たってしまいます。そこで、リフォームで使いやすいように作り変えるという傾向が多くなってきました。しかし、リフォームにかかる予算の関係はもちろん、社会的にもエコやロハスが主張されている昨今、使い勝手が悪くなったからリフォームして作り変えるということが必ずしも良い解決策とは言えないのではないか…。という声が聞こえ始めてきました。
3 システム収納のメリット・デメリット
システム収納は、先に述べた置き家具と造作家具のいわば中間的存在で、両方の利点を合わせ持ち、欠点を補っている収納です。そして新築やリフォーム計画の際、造作収納と同じく建物の間取りを決定する際に合わせて収納部を計画することが多いです。建物と一体化させるのでコーディネーターや設計士の方、またはシステム収納メーカーからの提案が不可欠となります。
一般的には下記のような特徴がありますので、確認した上でやはり「どのような使い方をしたいか・どのように見せたいかなどを提案して頂く方へ詳しく伝えることが非常に重要になります。
システム収納のメリット
- ・ライフスタイルの変化に伴い、利用目的の変化に対応できる※専任の工事が必要な場合有り
- ・比較的素材のバリエーションが多く価格の設定幅が広いため幅広い用途に利用可能
- ・パーツの組合せによりいろいろな間取りや寸法に対応可能
- ・建物に作り付けるため、耐震性が高い
- ・規格化により材料費など削減し低コストを実現
- ・各メーカーショールームにて実物を見てイメージしやすい
システム収納のデメリット
- ・システムに合わない場合調整材での調整が必要
※メーカーによっては規格外の特注製作も可能 - ・特注の場合コストが大幅に上がってしまうことがある
システム収納種類について
パネルタイプ
規格化されたパネルやパーツを組み合わせて構成されています。縦・横のパネル材とその他パーツの組合せであらゆる間取りや使用目的に対応できる。ボックスタイプと違い、収納内部の中仕切り板が二重になることが無く、全体で一つの家具のようにスッキリとすると共に無駄な材料やスペースを使うことなく高い収納力を実現できます。
ポール式タイプ
上部を壁面に固定したポールを軸とした収納です。サイドポールを上部で壁面に固定し、ポールの間に棚板などのパーツをはめ込んでいく構成となります。デザインで見せるための収納から、ウォークインクローゼット内部の収納まで幅広くご利用頂けます。
ボックスタイプ
キャビネット(箱型収納)で構成された収納です。キャビネットと扉材の組合せで多彩なデザインに対応できます。
システム収納の施工例
玄関収納 パネルタイプ
書棚収納 ポールタイプ
クローゼット収納 パネルタイプ
ウォークインクローゼット収納 パネルタイプ・ポールタイプ
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