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梅雨どき・夏どき・年中使うエアコンの節電ポイントは?メンテナンス方法は?
1 梅雨どき・夏どき以外にも今では年中使うエアコンはどう節電する?
さて、最新のエアコンと最新の断熱性能に優れた住宅の場合、エアコンをどう使うと、もっとも節電になるのでしょうか?
答えは、エアコンはこまめにon/offしないこと。
夏の日中(14時頃)の消費電力において約53%(全世帯平均 資源エネルギー庁推計)を占めるといわれるエアコンの消費電力。エアコンの節電に関しては一般的に「設定温度を2度上げると10%の節電」だといわれています。エアコンは室温と設定温度の差が大きければ大きいほど、消費電力量は大きく、フルパワー時と安定運転を比較した場合の消費電力量の差は2倍以上ともいわれています。クルマでいえば、燃費が極度に悪化するアクセル全開で加速している時間がどれだけ続くか、ということです。
ほかに、梅雨を快適に過ごしながら節電するコツを、かんたんにまとめました。
梅雨を快適に過ごしながら節電するコツ
- □ 家に入ったら、まず換気
- まず窓を開けて換気をしてから、エアコンのスイッチを入れましょう。理由は、できるだけ室内温度と設定温度の差を縮めることにあるのです。
- □ 設定温度の理想は『28℃』
- エアコンは設定温度を1℃あげるだけで約10%の節電効果。28℃では暑いと思われますが扇風機を併用することで快適に過ごせます。設定温度を1℃下げるより風量を増やしたほうが、消費電力は少なくなります。
- □ 弱風や微風より『自動運転』
- 『自動運転』は、部屋が冷えるまで強風。そのあとは微風と、もっとも効率よい運転をします。風量が弱すぎると、部屋が冷えるまで時間がかかり余計な電力を使ってしまいます。
- □ 風向きは『上』か『水平』
- 冷たい空気は下に向かうため、風を上に向けることで部屋全体が涼しくなります。
- □ こまめなオンオフは控えましょう
- エアコンは最初に一気に冷やして、そのあとは微風で部屋全体の温度を維持します。電気代は機種や運転状況によってかわりますが、最初の1時間は20円以上。その後は1時間あたり5円~10円程度といわれています。
- □ 除湿機能は、お使いのエアコンの仕様を調べてから
- 湿度が15%減少すると、体感温度は1℃も下がります。ただ、注意が必要です。ご自宅のエアコンの除湿(ドライ)運転が『弱冷房方式』か『再熱除湿方式』かの違いによって異なります。『弱冷房方式』のエアコンだと、冷房を使うより除湿を使ったほうが10%~15%の節電効果があります。ただし『再熱除湿方式』の場合は、冷房よりも電気代がかかってしまいます。その差は、高気密高断熱仕様の住宅ほど電気代がかかるという結果に。一説によると、高気密高断熱仕様の住宅では『弱冷房方式』か『再熱除湿方式』の差は約7倍もの開き。断熱に配慮されていない家でもその差は歴然です。
- □ 室外機は日陰に
- エアコンの室外機には、直射日光をあてないことが大切。日なたに置かれた室外機の場合、植木やすだれで日陰をつくってあげると5%~10%の節電効果が。ただし、この場合は吹き出し口をふさがないように注意しましょう。
- □ 室外機は壁から離して設置
- 室外機は壁から離したり、少し斜めに置いたり、廻りにモノを置かないようにして風通しをよくすることが大切。
- □ フィルターはこまめにお掃除
- フィルターをこまめに掃除することで、5%~10%の節電効果が期待できます。できれば2週間に1回のお掃除が理想です。
- □ 古いエアコンは電気代のムダ遣い
- 最新のエアコンと現在お使いのエアコンの消費電力がどれくらい違うか。《省エネ製品買い換えナビゲーション『しんきゅうさん』》がおススメ。ご自宅のエアコンの本体下などに型番などが書かれたシールがあります。ここに
消費電力が記載されているのでそれを観ながらチェックしましょう。
省エネ製品買い換えナビゲーション『しんきゅうさん』(外部サイト)
梅雨どき、夏どきを快適に過ごすための、ちょっとしたコツのご紹介しました。次はメンテナンスについて。エアコンのフィルターや内部についたホコリやカビを放置してしまうと、電源を入れたときにあのなんともいえない独特の不快な臭いがするだけでなく、病気の原因になってしまうこともあります。特に小さなお子さんや高齢者は、エアコン内部のホコリやカビの影響を受けやすいため注意が必要です。さらに、フィルターの汚れがひどいと風量が弱まってしまうので、電気代が高額になってしまう可能性もあります。エアコンの汚れを放置することは、健康面にも経済面にもデメリットが大きいので、こまめにメンテナンスを行いましょう。
2 エアコンのシーズンオフ前にはしっかりメンテナンス
エアコンのメンテナンスは、簡単にできるフィルターのみの掃除と内部も含めた大がかりなエアコンクリーニングという2つのメンテナンスを行う必要があります。定期的にエアコンのメンテナンスを行わないと、エアコンから『独特のすっぱい臭い』が吹き出したり、健康を害したり、フィルターに詰まったホコリのせいで水漏れしたり電気代が高くなったりします。
2週間に1回はフィルター掃除
エアコンのフィルターは特にホコリやカビがたまりやすいので、自動お掃除機能が搭載されていないエアコンは、2週間に1回程度はしっかり掃除をしましょう。フル稼働しているエアコンのフィルターにたまったホコリやカビを放置してしまうと、知らない間に部屋じゅうにホコリやカビを吹き出してしまいますので。室内の空気が悪くなってしまいます。
フィルター掃除の手順
- ・エアコンの前面部を開けて、フィルターを取り外す前に軽くホコリを取り除
- ・フィルターを取り外して掃除機でホコリを吸い取る
- ・掃除機では取り切れなかった汚れをシャワーで洗い流す
- ・頑固な汚れが付着しているときは中性洗剤と使い古した歯ブラシを使って落とす
- ・汚れが綺麗に落ちたらタオルで水分を拭き取り風通しの良い場所でしっかり乾燥させる
フィルターに水分が残っていると再カビが発生する原因になるので、フィルターはしっかり乾燥させること。フィルターが乾燥したことを確認できたらエアコンびに取り付けて、フィルターの掃除は完了です。大がかりなエアコンクリーニングと比べると、フィルターの掃除は簡単に行えます。部屋じゅうにホコリやカビを吹き出してしまう前に、こまめにフィルターを掃除して清潔な状態を保ちましょう。
3 シーズンオフにはエアコン点検と室外機点検
春や秋など、エアコンを稼働させないシーズンオフにはエアコンの点検をしましょう。
エアコンの点検方法
- 1 エアコンを冷房に設定して稼働。10分ほど動かして、吹き出し口から冷たい風が出て、室内機から水がしたたらないようであれば大丈夫。※10分稼働させても冷たい風にならない場合は、業者に依頼する必要があります。また、エアコン室内機から水がしたたり落ちる場合は、エアコン用ドレンつまり取りポンプで治る場合があるので、腕に覚えのある方であれば、ご自身でエアコンからの水漏れを直せる可能性も。それでも直らない場合は故障のため、エアコンの修理または交換が必要になるので、シーズンオフのうちに直しておきましょう。
- 2 エアコンの稼働中に本体から異音がしていなかも確認。正常に動いていてもモーターなどの稼働音はしていますが、その音が普段より大きな音がする、または何かをこすっているようなゴトゴト・ゴリゴリといった音がするときは、エアコンの稼働は控えて業者に点検してもらいましょう。
- 3 フィンにホコリが付着していたり汚れていないかチャックしましょう。フィンが汚れているとエアコンの効率が下がるほか、本体の故障の原因にも。ホコリが付着していたら掃除機やブラシ、フィンが汚れている場合は、市販のエアコンクリーナーなどを使用して掃除をしてください。
室外機の点検と掃除
エアコンのメンテナンスでは、エアコン室内機だけでなく室外機の点検も重要です。室外機が汚れていると、エアコンが正常に動作しなくなるので、シーズン中の故障を防ぐためにも定期的なメンテナンスは必要です。室外機は屋外に設置されているので、砂ぼこりや枯葉などは取り除きます。あわせて、ドレンホースの点検と清掃が重要。ドレンホースは、空気を冷やしたり温めたりする際に発生する水分を排水するためのホースで、カビが発生しやすい部分でもあります。詰まりがないかをチェックし、きれいに取り除きましょう。そのホースの設置も出口は地面から離すこと、ドレンホース虫避けキャップ(100均やホームセンター、ネット通販で入手できます)や、ドレンホース逆流防止用棒バルブで外から虫が侵入しないようにしましょう。
なお、室外機が屋根に載っていたり、手の届かない高所にあるときは、無理に室外機を点検することはせず、専門業者に任せましょう。
台風通過後のエアコン室外機点検(大地震が起きたときも同様の点検を)
台風通過後は、エアコン室外機が倒れたり浸水したりして壊れている可能性があります。その場合、感電事故や火災などの二次被害を避けるため、以下の対応を行います。
- 1 エアコンの運転を停止し、室内機の電源プラグを抜く、または、エアコンのブレーカーを切った状態で以下の項目を確認します。
- 2 室外機の吹出口や吸込口がふさがれてないか目視確認。何かが詰まっている場合は可能な範囲で取り除き、それでもおかしな動作をする場合は、メーカーの修理受付窓口やお買い上げの販売店に連絡しましょう。
- 3 室外機のカバーやファンが破損していないか確認して、異常の場合は、メーカーの修理受付窓口やお買い上げの販売店に連絡しましょう。
- 4 室外機が転倒している・移動している場合は、自分で直さずに、メーカーの修理受付窓口やお買い上げの販売店に点検を依頼しましょう。
※転倒破損状況によってはエアコンの取り換えや再工事が必要となる場合があります。
エアコン吹き出し口の奥に見えるシロッコファンの掃除は難しい
エアコンはみなさまご存じの通り、部屋の空気を吸い込み、温めたり冷やしたりした空気を再度、部屋に放出する仕組みです。そのエアコンの吹き出し口の奥に見えるのがシロッコファン。そこにカビやホコリが発生しているということは、エアコンを稼働させるとエアコンから放出する風に乗って、カビや雑菌が部屋中に飛び散ることになります。健康に関するリスクもあるため注意が必要です。では、そもそもの汚れの原因はなんでしょうか。
エアコンのシロッコファンの汚れの原因は、以下
- ・湿度と温度によるカビ
- ・ホコリ
- ・タバコの煙
このような状態で放置していると、大量のカビや雑菌を体内に取り入れることになります。最悪の場合、以下のような健康被害が出ることもあり得ます。
- ・アレルギー性鼻炎
- ・呼吸器系疾患
- ・肺炎
- ・夏型過敏性肺炎 など
自分でも掃除できますが、なにも分からないまま触ってしまうと、ほぼ確実にエアコン室内機が故障してしまうので、シロッコファンの掃除はプロの業者に頼むのが良いでしょう。
エアコンクリーニングは1年~2年に1回程度
エアコン内部の細かい場所まできれいに掃除をするエアコンクリーニングは、少なくとも1年~2年に1回は必要です。ただし、キッチンの近くにエアコンを設置している場合は1年に1回のエアコンクリーニングを検討しましょう。その理由は、調理中に発生する料理臭を含む空気は、どうしても臭いが強かったり、油を含んでいたりすることから、エアコン内部の汚れや臭いの染みつきの原因となるからです。ペットを飼っていてシーズン中はエアコンを常時稼働させている場所も、できれは1年に1回はクリーニングしたほうが良いでしょう。
エアコンクリーニングの時期は、シーズンオフとなる春や秋がおすすめ。
しかし、エアコンの内部の掃除は、市販のスプレーなどを使ったとしても、時間も手間もかかる負担の大きいものです。しかも、すみずみまで洗浄できるわけでありませんし、市販のスプレーを使って洗浄すると、どうしても出てしまうすすぎ残しがさまざまなリスクとなってしまいます。
また、エアコンメーカーやプロのエアコンクリーニング業者は、市販のスプレーによる清掃を推奨していません。よって、エアコンの内部洗浄をシーズンオフにプロに依頼したほうが、不快な臭いといったトラブルはもちろんシーズン中にエアコンが故障してしまう可能性が低くなることでしょう。
4 エアコンクリーニング業者を選ぶポイント
サービスを利用する上で気になるのは、料金設定でしょう。
種類 | 金額(おおよそ) |
---|---|
壁掛けエアコン | 1台 8,000円~10,000円 |
天井埋め込み | 1台 18,000円?26,000円 |
※お掃除機能付きエアコンは、内部構造が複雑であることから、上記の価格から5,500円から6,500円ほど料金が高くなります。しかし、エアコンクリーニング業者によっては季節に応じた割引キャンペーンやお得な特典がついている場合もあります。よって価格やサービス、口コミなどで比較することをおすすめします。なお、エアコンクリーニング料金は、個人業者は大手業者の2割ほど安い傾向ですが料金が安ければいいというわけではないので、総合的に見て判断しましょう。なかには、業者によって駐車料金が別途必要であったり、2台目は割引があったり、繁忙期は値上がりしたりするなど、サービス内容はさまざまです。シーズンオフの春と秋はエアコンクリーニング業者も特別価格で案内していることが多く、特に夏に近づくにつれ予約が集中しやすくなります。春にエアコンクリーニングを依頼する場合は、早めに予約するようにしましょう。
予約の取りやすさ・希望日に予約が取りやすいかどうかも、エアコンクリーニング業者選びのポイントです。条件の良い業者を見つけても、「土日に対応していない」「仕事を休まなければならない」「シーズンまでに間に合わない」といったことも起こり得ます。
予約の取りやすさを見極めるポイント3点
- ・土日祝日対応
- ・早朝深夜対応
- ・店舗数が多い
エアコンクリーニング料金を安く抑えるには
いまでは部屋ごとにエアコンを設置しているご家庭も多いでしょうから、プロにエアコンクリーニングを頼むと、かなり大きな出費になってしまうのでは、とお考えのみなさまも多いかと思います。そんなとき、エアコンクリーニング料金を少しでも安く抑えるコツを解説します。
- 1 エアコンは1台ではなくまとめて依頼するエアコンが2台以上あるけど高くなるのが心配という方も多いと思います。しかし、2台目以降から割引となる業者が多いので、まとめてお願いする方が安くなる場合があるので、おすすめです。
- 2 キャンペーンを行っている業者を選ぶエアコンクリーニングを頼むとキャンペーン価格で室外機の掃除をしてもらえたり、次回使えるクーポンや割引券を配布している業者もあります。
- 3 エアコンクリーニングの頻度を少なくする普段から、自分でできるメンテナンスをしてプロに依頼するエアコンクリーニングの回数を少なくしましょう。たとえばプロによるエアコンクリーニングを1年先送りにできれば、1万円程度の節約になります。
いまでは夏と冬には欠かせないエアコン。できるだけカビが生えないように対策する方法は、送風・掃除・換気の3つ。特に夏の冷房ではエアコンの内部に結露が発生してエアコン内部の湿度が上がってしまいカビの原因になるため、冷房運転後はできるだけ1時間ほど送風運転を行いましょう。あとはこまめなフィルター掃除、カビの大好きな汚れやホコリを溜めないように部屋を換気するのがおすすめの対策です。
エアコンの節電方法とメンテナンス方法をご紹介しました。新居での暮らしはもちろん、現在のお住まいでも十分に活用できる方法ですね。
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