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建築家 天野 彰 狭いトイレや浴室こそ贅沢に!~サニタリーは機能優先でいいのだろうか?

1 狭いトイレや浴室こそ贅沢に!~サニタリーは機能優先でいいのだろうか?

トイレやバスルームは狭い空間ですが、このトイレを“用を足す”だけの空間にしてしまわずにもっとゴージャスなサロンにするのです。狭いマンションやアパートこそ、このトイレやバスルームを広くゴージャスにすることが大切で、反対にどんなに大きな家でもこのトイレが貧弱だと、家も家族さえ貧弱に見えてしまうのです。しかし現実は狭いマンションだからと、バストイレも狭く玄関も狭いのです。しかもその仕上げや設備もそこそことなるのが一般的です。特に最小空間のビジネスホテルなどはその経済効率からとうんと狭くしかも安普請につくり、あの耐震構造までも偽装しようなどと言う悲しい事実もあったのです。

ゴージャスなトイレ
豪華トイレで快適に(画:天野彰)

これこそとんでもない間違いです!同じ狭さのビジネスホテルでもトイレや浴室などの設備を広くゴージャスにするだけで宿泊費が2、3千円アップと高くなってもいつも満室となるのです。このことはマンションや賃貸のアパート、さらに建売り住宅などの小住宅にも同じことが言えるのです。もともと狭い玄関やバストイレはいかに大理石張りなどの豪華な仕上げにしたところで狭い空間がゆえに一戸あたりの施工費はさほど変わらないはずです。これで毎日高級ホテルのスウィートの豊かさになれるのなら安いものです。

ベンチ式思考トイレ,御影石のバスルーム
左:思考のベンチ式トイレ 右:御影石バストイレで豪華にI様邸(天野彰)

2 トイレ浴室をもっと創造的な空間に

トイレや入浴をすることは今までの生活や思考の流れを変えることができます。議論が行き詰っても、事態が窮地に落ち入っても“トイレタイム”を取るとびっくりするほど考え方や状況が変わることもあるのです。特にバスタイムは日常生活から裸になって我に帰り、過去を振り返り、未来を見すえる創造的な空間でもあるのです。

狭いトイレはその狭さゆえ落ち着いて、かえって“個”が開放され、邪念もなくなり正直になれるのです。しかもすべての神経を集中することもでき新たなアイデアや創造も生み出されるのです。まさしくあのロダンの“考える人”そのもので、大袈裟に言えばこれからの人生さえも変えかねない重要な“思考の場”でもあるのです。このトイレや入浴は普段の生活と違って家族から離れて “個”となる貴重な時間となる重要な空間なのです。別に何かを創造せずとも、快適でゴージャスな気分となり、楽しみの憩いの場となるだけでも気分が変わり人生さえも変わるのです。しかもこの先さらに歳を取れば、必然的にトイレや入浴の回数は増え、その“滞在時間”も確実に増える大切な空間となるのです。

実例紹介、ゴージャスな御影石の浴室、すべてが桧の浴室
左:中庭と一体の開放的な浴室 GN様邸 右:総ヒノキの風呂と浴槽 N様邸(天野彰)

トイレや洗面脱衣室は「化粧室」とも「パウダールーム」とも言われるとおり女性にとっては美容のための“美を創るアトリエ”でもあるのです。しかしだからと言って過剰装飾や過剰設備にするのは問題です。最近のマンションや住宅展示場などには、ミラーハウスのような鏡張りを多用したり、テレビがあったり、まるでイルミネーションのような照明にするなどが目立ちますが、よく見るとやはりその仕上げはクロスやプラスチックの域を出ていないものも多いのです。

やはり無垢の板貼りや御影石などの本物の石張りなどの素材とし、しかも湿気などの調湿や臭気対策の珪藻土などの自然素材や健康材料を多用するなど空気までも変えるのです。

3 トイレバスルームを透明間仕切りで広々?!

トイレに小カウンターで広々と

マンションなど集合住宅では水回りのリフォームは難しいものです。特にトイレは太めの排水管(直径10センチほど)がコンクリートの床(スラブと言う)を貫いて下に落ちていて、これが階下の天井裏を通って配管ダクトに流れて込んでいるのです。従ってこのスラブ下配管をやり直すことは不可能なのです。言い換えればトイレや浴室の排水配管の位置さえ変えなければ便器の交換や浴槽は床上でも可能なのです。最近は設備機器のメーカーなどがリフォーム界に参入してきて、リフォームのための新しい衛生機器やサニタリーシステムなどが開発され、大幅な改造が可能となりました。しかも便器もコンパクトになっていてその分空間も広々とできるのです。

その便器も排水管を中心に回転させて向きを変え、間取りを変えるなど、かなりのイメージチェンジもできるのです。同様にバスルームはユニットバスの進化により簡単に取り替えられ、部屋の床を少し上げるだけでバリアフリーにするなどのリフォームも可能となりました。狭いトイレも小さめの洗面器などでコーナーを化粧台にして壁面を鏡にするとさらに広々と豪華になります。2LDKなどではトイレや洗面脱衣室などの仕切りもエッチングを施したスモークガラスにしたり、イラストのように思い切ってすべて透明なガラス間仕切りにして、大理石などの見せるカウンターとしたり、間接照明などで柔らかな光にすれば家全体が広々とした心地よいリラクゼーションルームになるのです。

水回りを透明!に、色っぽいバスルーム
左:狭いマンションの水回りを透明!に 右:大人のバスライフ(画:天野彰)

スノコの洗い場とベンチ式トイレと浴室
スノコの洗い場とベンチ式トイレと浴室

これからのサニタリーリフォームはただバリアフリーや機能のために機器を取り替えるだけではなく、その仕上げや空間を贅沢にし“色っぽく”デザインすることで若々しさを保つ秘訣です。もちろん老いの身体に優しく温かいリフォームとし、いざ倒れたときなどの緊急通報や、さらに老いても自力で這ってでも行ける“水洗おまる”のようになるようベッドとの位置関係などを考えて行なうのです。

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
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