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住生活コンサルタント 早坂淳一 ネクスト・アイズ株式会社ソーラーパネルにも故障や不具合の可能性あり

1 ソーラーパネルにも故障や不具合の可能性あり

ソーラーパネルにも故障や不具合の可能性あり?

太陽光発電システムについては、メーカーや設置工事業者をはじめ、実際に設置された方々でも、次のような通説が広く共通認識となっています。パワーコンディショナの寿命は10年程度、一方パネルのほうはほとんど故障や不具合などなく、20~30年は特にメンテナンスしなくても使えるところが、ソーラーパネルにも故障や不具合の可能性があり、発電量のチェックや点検などを実施しないと、知らず知らずのうちに大損をしてしまう場合もあることがわかりました。

産業技術総合研究所(以下、産総研)でソーラーパネルを中心とする太陽光発電システムの品質や故障・不具合の実態について調査・研究をされている独立行政法人産業技術総合研究所太陽光発電研究センター 評価・システムチーム主任研 究員 工学博士 加藤和彦さんがPVRessQ! 第一次中間報告(2006-2008年度)で発表した 「PVシステムは『メンテナンス・フリー』なのか?」「PVシステム故障の実態(2) 産総研メガ・ソーラタウン編」によりますと、ソーラーパネルには電流を流すための配線(ハンダ接続)がありますが、その配線(ハンダ接続)に問題があって電気の流れが悪くなっている場合もあるのだそうです。セル自体は日光が当たれば発電して電流を流そうとするわけですが、配線に問題があって電気が流れにくくなってしまうと、一部が熱エネルギーに変わってソーラーパネルのセルが高温になってしまいます。せっかく発電した電気が熱に変わってしまうわけですから、全体的な発電量は低下していると考えて差し支えないでしょう。実際に計測してみると、メーカーのモジュール出力保証よりも低下しており、きちんと点検すれば交換対象になる不具合。その理由とは、ソーラーパネルで一部のセルが不具合を起こした場合、周囲のセルに影響を及ぼして、不具合セルの分以上に発電量が減る可能性がありえるからなのです。

2 一般的なメーカーの点検ではこの不具合をなかなか発見できない!?

一般的なメーカーの点検ではこの不具合をなかなか発見できない

メーカーの通常の点検では、パワーコンディショナや接続箱など屋根のソーラーパネルからくる電線にテスターを当てて、電圧(開放電圧)を計測します。ソーラーパネルというのは、たとえ曇りでも一定以上の光があたれば、設計された系統の電圧を安定的に出す仕様になっています。ソーラーパネルが高温になると電圧は少し下がるそうですが、極端な変化はないとのこと。ソーラパネルに完全な断線などが起こっていなければ、電圧の計測だけでパネルの故障・不具合を見つけるのは難しいそうです。

正確さを期すために発電電流をきちんと測ると故障・不具合を含む系統では電流が減っていることがわかります。電流のほうは日照の強さに応じて出力が大きく変化するので、たとえ計測してもどれだけあれば正常で、どれだけ以下は故障・不具合かを簡単には判断できないそうです。このためメーカーの通常の点検では、普通は電圧だけを計測して、設計電圧が出ていれば問題なしとしているとのこと。それでは、故障・不具合はどうやって見つけたらいいのでしょうか?

メーカー側ではこのような定期点検を通常行っている以上、通常の住宅に設置されているソーラーパネルは、いままでそれほど厳しい点検もされず、たとえ故障・不具合が起こっても発見されていない不具合があるのではないか、と考えるのが自然です。その理由とは、ソーラパネルはたとえ故障や不具合を起こしていても、可動部がないから異音や異臭もせず、よく調べなければ故障や不具合を発見することが難しいのです。故障・不具合がないのではなく、故障・不具合はあるが見つかっていないだけではないか、という考え方が成り立ちます。この理由は個人的にもとても納得できる理由です。

同じく問題点としてあげられていることは、太陽光発電システムの品質や耐久性に関する検査基準がないこと。現状では、変換効率とか低価格化ばかりに注目が集まっており、『品質』が置き去りになってしまっています。他社と比較してほんの少しばかり効率がいいとか、価格が安いということは、長期間にわたって故障や不具合を起こさず安定的に発電する重要性と比較すると、残念ながらたいした問題にはならないでしょう。太陽光発電システムは、現状でも数百万円という高い買い物。ただし半永久的に使えるものではなく、あくまで工業製品と考えていくと、導入前に注意すべきポイントが明らかになってきます。まず最初に、太陽光発電システムも「故障・不具合は起こるし、定期的なメンテナンスも必要」という視点に立つことが大切です。メンテナンスの手間や費用も必要なものとして検討しましょう。

3 設置された太陽光発電システムの発電量をチェックして記録し続けよう

設置された太陽光発電システムの発電量をチェックして記録し続けよう

太陽光発電システムを設置したら、必ず毎月の発電量をチェックして、記録しておくことが大切です。電圧だけをみるいままでの点検方法では、故障や不具合が見つからない可能性があります。異常を早期に発見するには、利用者自身が発電量をチェックして、変化をキャッチすることが最も確実な方法です。

ほかにも、太陽光発電システムを設置するにあたって、いろいろ注意を払うべきことがありますが、少なくてもソーラーパネルは半永久的に持つ、という考えだけは隅において考えていくことが賢明かもしれません。

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住生活コンサルタント 早坂淳一住生活コンサルタント 早坂淳一

住生活コンサルタント 
早坂淳一
ネクスト・アイズ株式会社

大手百貨店にてクレジットカード事業の立ち上げやポイントカードシステムの運用、全店販促支援システムの運用、売場リニューアルブロジェクトなど、新規事業を中心とした業務に従事。 その後、携帯キャリア店舗改善プロジェクトや不登校児童・生徒活動支援プロジェクト、工務店支援プロジェクトに従事したのち、工務店にて営業を経験し、現在は第三者機関ネクスト・アイズにて、住宅コンサルタントとして活躍中。