標準仕様書とは
標準仕様書とは、施工会社各社が一般的に採用している構造躯体、断熱、サッシ、床、壁、天井などの仕上げ、バス、洗面、キッチン、トイレなどの設備、そしてお客様からの要望がなくても、これだけは家づくりをする上では必要だと標準的に見積りの中に入れている施工会社各社のこだわりをまとめたものです。一見、坪単価が安くても、あれもこれも入っておらず、すべてオプションとして後から見積もり金額がアップしたなんて話も少なくありません。また逆に最初の金額が高くても、家づくりのこだわりがあり、自然素材になどに限定された仕様であり、また設備のグレードが高く、お客様のことを考えて最初からすべて見積り金額に入っている施工会社もあります。施工会社の家づくりへの姿勢を表す目安としてご活用ください。
標準仕様書の見方
見積りを提出する場合、どこまで見積もりに入っているかは、施工会社により異なります。建売会社とは違い、注文住宅をメインとする施工会社ですから、家づくりへのこだわりは多様で、一概に坪単価の安い、高いなどでは判断できません。各項目を吟味して、自分に合った施工会社を選定してください。また、本体工事費は、2階建て、30坪程度で、真四角に近い外形、単世帯で標準仕様書どおりに仕上げた場合を想定しています。階数が増えたり、坪数が減少すれば価格は上昇しますし、L字型、コの字型など外形が複雑になっても価格は上昇します。あくまで参考価格としてご活用ください。
●構造・工法
施工会社が最も得意としている構造・工法です。これだけしかできないというわけではありません。在来軸組工法とあっても鉄骨造、鉄筋コンクリート造も施工している場合もありますので、各社詳細ページの工法のインジケーターをご参照ください。
●基礎
標準的に採用している基礎です。布基礎もしくはベタ基礎が一般的ですが、どちらが良いというものではありません。現実には、建築地の地盤の状況と建物の荷重を考慮し、最適な基礎を選択します。建築地の地盤の状況により地盤改良工事や杭工事が発生する場合があります。その場合は追加工事となります。
●外壁
一般的には、サイディング貼り、吹付け仕上げ、タイル貼りなどがあります。厚み、吹付け材、タイルの大きさと厚みなどにより価格は大きく変動します。またメンテナンスフリーの外壁材も最近は出ているようです。
●屋根材
一般的にはコロニアル葺きが主流ですが、最近ではメンテナンスを考え、軽量瓦、ガルバニウム鋼板などを標準的に採用している施工会社もあります。金額は素材などにより大きく変わります。
●断熱
一般的にはグラスウール、ロックウールが主流ですが、その厚みと密度により断熱性能は大きく変わります。また、天井、壁面、床下など用途により異なった断熱材が使用されるケースもあります。最近では自然素材系のセルロースファイバーなどが多く使われるようになってきています。
●外部建具
サッシフレーム、玄関ドアなどのことをいいます。一般的にはアルミサッシが主流ですが、断熱を考え、樹脂製のものやフレームの中に断熱材を施したものまで使われるようになってきています。
●ガラス
外部建具(サッシ)のガラスのことです。単板ガラスが一般的ですが、やはり断熱性能を配慮し、中に空気をはさんだ二重ガラス、真空をはさんだ真空ガラス、防犯性能を配慮した防犯ガラスなどがあり、価格も大きく変わってきます。
●内部建具
内部のドア、収納の引き違い戸などをさします。板の模様をプリントしたシート貼りが主流ですが、積層材の上に数ミリの本物の板を貼る突き板貼り、すべてが本物のムク材と様々です。価格も大きく変わってきます。
●内部仕様
床、壁、天井の仕上げのことです。床であればフローリングなのかカーペットなのか、または大理石貼りなのか、壁・天井であればビニールクロスなのかエコクロスなのか、最近では、珪藻土などを標準的に採用している工務店さんも多いようです。
●内部設備
バス、洗面、キッチン、トイレなどの水廻り設備のことです。単純にどのくらいのグレードのものが入っているかを比較できます。また、採用しているメーカーさんが偏っている場合は、得意なメーカーさんであり、安く仕入れることができるということです。一方他社のメーカーさんに変更すると、同じ定価グレードのものに変更しても仕入れ率が高く割高になる可能性があります。
●付帯設備
床暖房や空調など、一般的にはオプション工事になっている項目も、例えばリビングのみあらかじめ標準設定されていたり、空調も全館空調が標準になっていたりする施工会社もあります。