早坂淳一 保有資格:AFP(日本FP協会認定)/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/一般社団法人生命保険協会認定/シニア・ライフ・コンサルタント/
工務店支援プロジェクトに従事したのち、工務店にて営業を経験し、現在はハウスネットギャラリーを運営する第三者機関ネクスト・アイズ(株)にて、住宅コンサルタントとして活躍中。
執筆・監修:ハウスネットギャラリー事務局 早坂淳一
更新日:2024年3月14日
日本人ならお風呂に浸かる生活は基本です。注文住宅を建てる際に、その浴室にこだわって快適な空間を作りたいと考える方は、実に多くいます。お風呂時間が快適であれば、1日の疲れもすっきりとれる最高の癒しの空間になること間違いありません。ここでは、そんな浴室にこだわった注文住宅の事例を参考に快適なお風呂時間を過ごすためのプランニングのポイントや浴室の種類ごとでのポイントなどをご紹介していきます。ぜひ皆さんも毎日入るお風呂に、注目した家づくりを検討してみてはいかがでしょうか。
日本のこころ「お風呂」を素敵につくりあげた事例など多数ご覧いただけます!
お風呂は毎日入るものだから、注文住宅を建てる際に快適な浴室を希望される方も多くいらっしゃいます。一日の疲れをとる最高の癒しの空間を実現するためのポイントはいくつかあります。あなたの理想のお風呂を叶えるために、まずはお風呂の種類別の特徴を学んでいきましょう。
ここでは、3種類のお風呂「ユニットバス」「ハーフユニットバス」「造作風呂(オーダーメイド)」のメリットとデメリットをご紹介します。まずユニットバスの特徴から。
現在、多くの家はこのユニットバスを採用しています。お風呂をパッケージ化し、工場でパーツ(床・壁・浴槽など)をつくり、現場で組み立てる浴室。オプションで壁の色や照明など細かい変更ができます。全て規格があるため、その規格の中では自由に選べますが、それから外れて大きく変更することはできません。
ユニットバスが多くのご家庭で採用されている理由を、メリットでご紹介します。
上記にもあるように、工場で全てのパーツがつくられ現場で組み立てる浴室のため、工期が短くなり人件費がおさえられる点で、コストを抑えて浴室をつくることが可能です。
ユニットバスはショールームに展示しているため、実際のサイズ感や質感などを体感することができます。一般的な仕様から高級な仕様まで、商品を見比べることもできるので、具体的にイメージすることができます。分からないことは、その場で、ショールームの担当者へ聞くこともできます。完成形を確かめて納得して決めることができるのは大きなポイントです。
工場で生産していることから、どの商品も一定の品質が保たれているのは安心のポイントです。性能面に関しても、浴槽が断熱構造となっていることから、お風呂が冷めにくくなっています。また床と壁のつなぎ目が一体化していることで、水があたりに漏れ心配はほとんどありません。
日頃お風呂を掃除するひと目線で、手間をかけずに浴室の掃除ができる数々のアイデアは、日々の暮らしに役立ちます。そもそも汚れがつきにくい素材を使うことや、浴室全体の水はけの良さもしっかり配慮し設計もされているなど、細かな部分までしっかり考えられた商品であることは間違いありません。
たとえば、転倒しないように滑りにくい素材が床に使われていたり、お風呂につかるときに、またぎやすい高さも計算されて設計されています。また、洗面所と浴室の段差は極力なくす工夫もされています。小さな子供から高齢の方まで、誰でも使いやすいようにしている点は大きなメリットでしょう。
価格や性能等のメリットの他に、デメリットもしっかりおさえておきましょう。
各メーカー指定の規格内でなければ変更を加えることはできないという点には注意が必要です。水栓やシャワーなどのパーツや色指定はできます。しかし、サイズは予め規格サイズが決まっているため、浴槽やお風呂自体のサイズ変更を希望してもできない場合が多く、例えできたとしても価格が相当高くなることは覚悟しておきましょう。変更できるパーツや色もメーカー指定の中から選ぶため、完全オリジナルの浴室を希望される方には不向きといえます。
注文住宅の場合、四角い箱形以外に台形であったり、天井や壁の一部を斜めにするようなデザイン性を考えた浴室もあります。しかし、ユニットバスは基本的に四角い箱型のデザインが多く、各メーカーで扱っている形も決まっています。その中から選ぶしかないため、浴室をデザイン性の高い特殊な形にしたいという希望はユニットバスでは対応できない場合もあります。
メーカーの規格外の大きな窓は設置できないので、お風呂に入りながら眺望を楽しみたいという方では実現できない場合もあるので、注意しましょう。
システムバスは基本的に室内仕様のため、露天風呂や半露天風呂には対応していません。
浴槽と床、その浴槽の高さまでは壁がセットになった浴室で、壁と天井は好みに合わせて自由にアレンジできます。ユニットバスでは難しい開口や大きめの窓の設置が可能です。壁材などもタイル素材や木材などある程度の自由に選べるため、価格をある程度おさえて、程よくデザインもできます。それなりにこだわってお風呂をつくりあげたい方には向いています。
ここでは、ハーフユニットバスのメリットとデメリットをまとめます。まずはメリットから。
浴室の壁に木材を使うだけでもガラっと雰囲気を変えることができます。タイルも石なども使うことができるため、ユニットバスよりデザイン性を重視して、造作風呂に比べると自由度は落ちるかわりに、造作風呂より安価にお風呂をつくることができます。ユニットバスでは難しい大きな窓を取り付けることも壁の一部をガラス張りにすることも可能です。適度にこだわりのあるお風呂がつくれる点がメリットでしょう。
ハーフユニットバスは、浴槽と床部分はシステムバスと同じです。したがって、防水性や断熱性はシステムバスと同程度の性能と機能性があります。そのため、機能性を確保しながら、壁や天井でデザインを工夫することができるため、お風呂の雰囲気を遊びたいけれど、性能・機能面も心配という方には向いている仕様でしょう。
浴槽や床部分はシステムバスとほぼ同じ仕様につき、メンテンスや掃除は楽なほうといえます。壁や天井に使う素材にもよりますが、比較的メンテンナンスは容易に行えるでしょう。
つづいては、デメリット。
壁や天井に使われる素材にもよりますが、システムバスのハイグレードと同様かそれ以上にかかる場合もあります。
ユニットバスと比べると商品のバリエーションが限られています。商品点数が限られているため、お風呂のサイズなどの自由はあらかじめ制限されることを想定しておきましょう。
ハーフユニットバスは、壁や天井部分はこまめに掃除やメンテナンスをする必要がでてきます。浴槽と床部分はユニットバスと同様に、掃除のしやすさを重視した設計になっていますが、それ以外は掃除のしやすさよりもデザイン性や快適さが重視されます。使用する素材によってはそのメンテンス等がたいへんになる場合も考えられるため、掃除のしやすさも忘れず、壁・天井に使う素材などは良く検討してから選びましょう。
浴槽と床部分はシステムバスと同様なため、サイズは規格が決まっているという点は、忘れないようにしましょう。
浴槽と床のユニット部分とそれ以外の周囲を繋ぐ必要があるハーフユニットバスの工事は、きちんと接合しないと水漏れの原因にもなります。それなりの技術と経験が必要です。実績ある会社に任せることが重要となります。
浴槽・床・壁・天井・窓・扉などの全てが自由にできるオーダーメイドの浴室です。ご自身の好みに合わせてお風呂をつくることができます。ユニットバスと異なり、ひとつひとつをこだわってつくりあげることができるので、大きな窓も露天風呂にすることも可能です。ヒノキ風呂や海外で良く見られる猫脚つきの浴槽など、ご自身の好みに合わせてお風呂をつくることができます。自分のオリジナルで窓も大きく、眺望も楽しめる、お洒落なお風呂にしたいという、とことんお風呂をこだわり抜きたい人は造作風呂おすすめです。
そんな造作風呂のメリット・デメリットについてご紹介します。まずはメリットから。
浴室のサイズも浴槽の種類、床・壁・天井にいたるまで吟味して選ぶことができます。窓の位置や大きさなども細かく指定できるので、高級ホテルや旅館でみられるような浴室にすることも可能です。浴室の形状も問いません。天井が斜めでも、六角形の形状であってもこだわりのある浴室をつくりあげることが可能です。壁一面ガラス張りにすることもできますし、大きな開口部を付けることも、とにかく自由に自分好みのお風呂を楽しむことができるという点が、一番のメリットです。
システムバスにはない、ヒノキや大理石を使用することも、窓の形を丸窓にすることも、ひとつひとつの素材やサイズを好きに組み合わせてオリジナルなお風呂を実現できます。
浴室に直接屋外に出られるドアも設計することができるため、露天風呂・半露天風呂をつくることも可能です。
他では味わえないデザイン性の高さが特徴の造作風呂ですが、心配な面もあります。続いてはデメリットについて。
こだわればこだわるほどかかる費用は、造作風呂を検討する場合に気になるポイントです。イチから職人と現場でつくりあげていくため、人件費も高くなります。素材によっても価格は大きく変動します。工期も長くなるため、その分が人件費に反映され想定以上に高額になる場合もあるので、あらかじめその点を踏まえて計画は進めましょう。また忘れてはいけない点として、メンテンナンスにも大きな費用がかかる場合が多いのです。維持管理については、しっかり考えて計画する必要があります。
現場でイチから作りあげる造作風呂は、その分、工期が長くなります。こだわりが強いほど工期はどんどん長くなることが想定されます。予め余裕を持って計画することをオススメします。
完全オリジナルなため、出来上がって使うまで浴室の細かな使い勝手がわからないという心許なさがあります。
現場でつくりあげるため、施工会社や職人の技術に依存する部分が大きく、慣れていない会社だと手間も時間もかかるため、注意が必要です。また水漏れなどのリスクはユニットバスよりも大きいため、経験のある施工会社に依頼することが重要です。
造作風呂の場合、デザイン性や快適性を重視するためユニットバスのような防水性や断熱性などの機能面に劣ることも考えられます。機能性を重視する方であれば、ユニットバスの方がよほど安価に早くお風呂をつくることができます。
使う素材によって管理の仕方は異なります。木材などの自然素材は乾燥させることが必要でも、乾燥させ過ぎはひび割れの原因となります。このように、お手入れに苦労することも考えた上で、しっかり計画することが重要となります。
お風呂は種類によっての特徴や注意点があります。お風呂をどのような空間にするか、どのように過ごしたいかによって選ぶべきお風呂の種類も違ってきます。
続いては、お風呂空間をつくる際におさえておくべきポイントをご紹介します。(こちらから)
快適なお風呂をつくりあげるポイントとして、特に重要なのは2点、「お風呂の配置」と「窓」です。ここでは、快適なお風呂を実現するためのプランニングのポイントや注意点をご紹介します。
一般的な間取りとして、南側にLDK、北側に水廻りのトイレ・洗面・浴室を配置することが多いようです。浴室の配置を北側か南側にするかでつくり方も大きく変わります。まずは基本的な考え方として、北側と南側でつくるお風呂で押さえておくべきポイントをまとめます。
一般的には南側は明るく比較的、開口を設けて光や風を確保する工夫や家族でゆっくり過ごすためのリビングなどを設ける間取りが多いため、そこまで広さの必要ない水廻りを北側にまとめる計画をされるご家庭が多いです。北側は日当たりが悪い事も多く、お風呂に湿気をため込まないように換気方法はしっかり考えることが重要です。換気がしっかりされないと湿気が溜まりカビや汚れの原因になります。たとえば、窓を大きく設けて少しでも風と光の通り道を確保しておく、また、浴室換気扇は24時間停めないことで空気が流れるため、湿気が溜まりにくくなります。
また北側に浴室をつくる場合は、水廻りの位置関係を考えることが大切なポイントです。なるべくならば、水廻りは一カ所にまとめ、動線を短くすることを考えます。特にキッチンとの動線は重視しましょう。キッチンで料理を作りながら洗濯ができるように、家事動線をいかに効率化するかを考えお風呂の配置も決めると日々が快適です。
南側に浴室をつくることで、陽当たりが良く、湿気を溜めずカビを防ぐことが期待できます。また、室内で洗濯物を干すことの多い家庭では南側にお風呂を設けることもオススメです。浴室乾燥はもちろんですが、陽当たりも良い南側では、効率良く洗濯物を干すことができます。陽当たりの良さは、洗濯物やカビ対策だけではありません。入浴する際に明るいお風呂は、心身をリラックスさせることができます。休日などは、昼間に明るいお風呂に浸かりのんびり過ごすこともできます。日差しの入る浴室は、特別な空間になること間違いありません。解放感を味わうためにも、開口部は広くする、また壁ではなく一部でもガラス張りにするなどして、光を奥までいきわたらせる工夫をするといいでしょう。
ただし南側に浴室を設ける際には、他の間取りとの調整をしっかり行うことも重要です。一般的に南側にはLDKを配置することが多いですが、浴室を南側に持ってくることで、LDKのスペースを圧迫してしまうことや、LDKが南側に配置できない間取りになることも考えられます。もっとも長く使う空間はどこなのか、その空間での快適な暮らしを優先することが必要かと考えます。南側にお風呂を設ける場合は、LDKとは違う階に浴室を設ける方法がオススメです。LDKを圧迫することなく空間を最大限利用することができます。例えば1階LDKで2階の南側にお風呂を設ければ、LDKも明るく、快適なお風呂時間を楽しめるでしょう。その場合、浴室だけではなく、洗濯機置き場との位置関係も良く検討しましょう。選択物を干すスペースが庭などの場合は、1階の浴室の近くに洗濯機置き場を設け、さらにそこから干すスペースまでの移動が短くなるような動線を考えることが重要です。2階のバルコニーに選択物を干す場合も同様です。浴室・洗面脱衣所・洗濯機置き場とバルコニーへの動線が短くなるように間取りを工夫することが重要です。
浴室の快適性を重視する上で、お風呂に窓を設け採光と通風を確保することも大切なポイントです。窓を開けるだけで、浴室内に湿気がこもることなく乾燥するため、清潔感を維持することが可能です。また窓は清潔感だけではなく、心身をリラックスさせる効果も期待できます。大きな窓を設けることで、そこからの景色を楽しむこともできるので、入浴時間が有意義なものになるでしょう。ただの壁と比べて窓は圧迫感も少なく昼間の浴室も明るく開放感が味わえます。
合わせて考えるべきは防犯面です。窓を設けることでのリスクとして、覗きや侵入される恐れも出てきます。1階の通りに面した位置にお風呂を設ける場合は、大きな窓は配置しないようにするなど注意が必要です。その場合は、すりガラスにするなども検討しましょう。また割れにくい窓ガラスの採用も検討しましょう。
浴室の広さひとつで、お風呂の快適性は大きく変わります。特に浴槽の幅は重要で、ひとりまたは家族で入るのか、足を伸ばして入るか曲げて入るかなど、入浴方法によって、浴槽の広さを検討することが必要です。
足を伸ばしてくつろげる、親子入浴も窮屈でない | 幅約160~180cm |
ある程度ゆったり入れる(身長170cm前後の方でも少し足を曲げるくらい) | 幅約130~150cm |
足を曲げて入る | 幅約110cm未満 |
親子で入るには、約160~180cmの浴槽幅がオススメです。浴槽以外に洗い場は、一般的に0.75~1.25坪のサイズが標準です。大人1人であれば、0.75坪で充分なサイズ感です。
大人1人で丁度いい広さ | 0.75坪 |
介護や子供と一緒に入る場合に丁度いい広さ | 1.25坪~ |
子供と入っても余裕のある広さ | 1.5坪~ |
1坪は家族での入浴、つまり複数人では不向きです。やはり1.25坪以上はないと手狭に感じてしまいます。また1.25坪以上であれば車椅子でも楽に入れる広さのため、将来的に自分の介護が必要になった場合などでも使える広さにはなります。親御さんの介護なども考えてという場合であっても、やはり1.25坪以上は広さを確保しておきましょう。
またお風呂の広さは洗面脱衣所とセットで考える必要があります。洗面脱衣所の広さは日々の家事動線にも関わるためじっくり検討しましょう。必要なモノも多く、その収納スペースや脱衣所をどのように使うかによっても検討が必要です。タオルや洗濯機、洗濯用洗剤等、洗濯物、これだけでもいろいろとスペースが必要になります。洗濯機とセットで考えたいのが物干しスペースも検討しましょう。天井から吊り下げる物干しなど便利なアイテムが沢山あります。洗濯してすぐにハンガーにかけることもできるため、そのまま外の物干しに持っていくのも楽になります。また、雨の日など室内干しをする際にも洗面脱衣所も使えると便利です。洗面脱衣所の広さをどのように計画するかで家事動線が快適になるため、お風呂と合わせてしっかり計画しましょう。
ここでは、快適なお風呂をつくるポイントということで、お風呂を北側にする際と南側に配置する際のポイントや窓を設けることの重要性などをお話ししてきました。お風呂は、他の空間との繋がりも考え、湿気を溜めない工夫が何より重要ということはご理解いただけたかと思います。
続いては、こだわりのお風呂を楽しむお洒落なお風呂をつくりあげるポイントをご紹介します。(こちらから)
最高の癒し空間を実現するには、どのような点をこだわるかが重要です。高級感あるお風呂で非日常的な癒しの空間でゆっくりお風呂に浸かる毎日を演出できたら最高ですよね。ここではそんな贅沢なお風呂を演出する6点のポイントをご紹介します。
ガラスにすることで開放感が生まれ特別な空間を演出できます。昨今のユニットバスでは、透明な強化ガラスをオプションで選択することもできます。その際のポイントとして、特別な時間を過ごすために生活感を見せない工夫が必要です。上の事例のように、洗面脱衣所では洗濯機や小物系は棚に収納し隠しておくことが重要です。生活感が見えないだけで、お風呂に入っている際もホテルにいるような気分を味わえますね。もちろん全面ガラスではなく、一部を壁とすることもできます。お風呂場に置くシャンプーやリンク等を隠すことも、洗濯機などの生活感を壁で遮ることも可能です。
※強化ガラスへ変更する場合の費用:20万円程度プラス
浴室が狭すぎると、いくらガラスで視界を広げても窮屈な印象を受けてしまいます。最低でも1.25坪(2.5畳)は確保するようにしましょう。1.25坪以上になると、浴槽も広く足を伸ばしても余裕のある広さを実現できます。広めのお風呂でゆっくりお風呂時間を楽しんでみてください。
浴槽では浴槽を支える下の浴槽エプロンと浴槽内部の色を自由に選択することもできます。天井でも素材をステンレスに変更することも、アーチ型と言って丸い形状にするこもできます。床は、タイル貼りにすることも可能。システムバスでも充分オプションから選ぶことができます。素材によって値段はピンからキリまであるため、良く検討しましょう。
お洒落で人気なのは、ストーン調などを使い全体的にグレーで統一する色調です。シックでモダンにということであれば、ダーク系で統一すると落ち着きある空間を演出できます。黒は汚れが目立ちやすいので、ブラウン系にまとめると全体的に柔らかな印象も演出できます。
*全面をオプションで飾ると、最低でも20万円程度はかかります。
照明には様々な種類があります。ダウンライトやLED照明など、調光機能付きのものもあります。照明の色の変化によってお風呂の雰囲気は様々に変わります。照明ひとつで幻想的な空間を演出できますので、ぜひ検討をしてみてください。例えば、オレンジ系の光であれば、落ち着きある空間を演出できます。青白い色の光は清潔感を演出します。照明ひとつでお風呂も様々な姿を見せてくれます。
ユニットバスの場合、照明によってはオプションもあるため、特殊な照明を希望される場合は、最低でも15万以上はかかると考えておきましょう。
スタンダートなお風呂の素材は、FRPというガラス繊維にプラスチックを混ぜ合わせたものが主流ですが、少しでもリラックスできるお風呂を希望されるのであれば、浴槽などの素材も吟味しましょう。人気は「人口大理石」の素材。ツルツルとしていて高級感が漂います。より肌触りが心地いい素材として、高級ホテルなどでも採用される「ホーロー」はしっとりと滑らかな素材感が特徴的です。浴槽の素材も選ぶことで、お風呂時間の快適さも一気にアップします。
お風呂シアターなど、最高の贅沢空間ではないでしょうか。ゆっくりお風呂に浸かって映画鑑賞などされたい方にはオススメです。また音楽を聴きながらお風呂に入りたいという方も多いかと思いますが、現在はBluetooth(ブルートゥ―ス)対応でワイヤレスもあるので気軽に音楽を楽しむことができますね。
*テレビであれば、プラス20万程度、スピーカーも種類にはよりますがおおよそ3万前後プラスになると考えておきましょう。
ではここから事例を基に、高級感の溢れるお風呂をご紹介します。
バスタブは特に高級感を演出する上で重要ですね。映画のような猫脚のバスタブは非常に憧れます。注文住宅であれば、半円形や円形のバスタブを設置することも夢ではありません。長方形のスタンダードな形と異なり、浴室のバスタブが円形であれば、高級ホテルのお風呂に浸かっている気分が味わえます。せっかくこだわるのであれば、バスタブひとつからこだわって非日常に空間で日々の疲れを癒すよう演出してみてはいかがでしょうか。
最高の贅沢なお風呂といえば、露天風呂が思い浮かぶ方も多いでしょう。それが自宅にあったら毎日のお風呂も最高に特別な時間になることは間違いありません。高台に家を建てる場合などは上の事例のようにテラスにジャグジー付きの浴槽を設けることで、青空も星空も、そこから見られる景色を楽しむことができます。
視線が気になるという場合もあるので、周囲に目隠しのような工夫をするとより快適にお風呂に浸かることができます。自宅に露天風呂があると、人に自慢したくなりますね。
大きな吐き出し窓の外にテラス(バスコート)を設け、中と外を繋ぐ心地いいお風呂時間を過ごせます。長くお風呂に浸かりたい方は、このテラスでひと休みすることもできるので、ゆっくり時間が流れ特別な時間を過ごせるでしょう。もちろん機能的にも大開口は嬉しいポイントです。浴室に湿気を溜めない工夫として、いつまでも綺麗で快適なお風呂を維持することができるでしょう。
コンクリートの壁に、黒い床、白の脚付バスタブ、洗面との仕切りもガラスで余計な装飾を一切つけずにとことんシンプルにこだわったお風呂空間は、余裕を感じます。壁の高窓から適度に挿し込む光で日中でも程よい明るさを実現しました。耐久性の高いコンクリートで現代的なカッコ良さを残しつつバスタブの丸みを帯びた形状で、居心地の良さも感じるバランス感。シンプルだからこそ味わえる落ち着きあるお風呂は、日々の浴室に最適です。
さて、最高の贅沢空間のお風呂を実現した事例をご紹介してきました。少しずつ理想のお風呂のイメージがかたまってきたのではないでしょうか。
続いては、お風呂をつくる際に、失敗しがちな例を紹介し、注意した方がいいポイントをまとめます。(こちらから)
理想のお風呂が出来上がって、楽しみにしていた入浴時間になって初めて気づくことも多いようです。ここではそんな起こりがちな失敗例を基に、注意すべきポイントをまとめました。満足できるお風呂を実現するためにも、実際に起こりがちな失敗例などを参考に、それを解決するための計画を考えてみることをおすすめします。
広さの問題として、新築の場合に居住空間を優先的にスペース取りするため、いざ残ったスペースでお風呂と考えると、お風呂場の面積が狭くなるということがあります。もちろん居住スペースを圧迫するほどの広さのお風呂も問題です。つまり、お風呂といっても残った空間で作ろうとせずに、計画段階でしっかり確保できる広さを把握することが重要です。
そうしないためにも、事前にどの程度の広さが必要なのか判断しましょう。1人で入るお風呂なのか、2人ないし、3人で入るお風呂なのかによっても必要な広さは変わってきます。付随する洗面脱衣所もどの程度の広さが必要なのかしっかり検討して、狭くて使えないということのないように注意しましょう。
洗面脱衣所の収納スペースが少なくて失敗したという声を良く聞きます。必要な入浴グッズ(タオルやシャンプーなど)の他に、洗濯に使うものや化粧品や掃除用品など、洗面脱衣所にはこまごまとしたものが集まります。必要なものを必要な場所にしまえるように、洗面脱衣所にしっかり収納棚のスペースを作っておくようにしましょう。
お洒落なお風呂と合わせて、お洒落な洗面脱衣所にする秘訣は洗濯機などの生活感を全て壁に隠すという方法があります。洗面周辺の壁などを全て収納棚にして、すっきり棚の中にこまごましたものも含め、洗濯機まで隠すことができれば、収納スペースの問題も解決されます。どの程度、ものがあるのかしっかり検討し、収納棚の大きさも選びましょう。
こだわって選んだお風呂。でも湿気・カビ対策を疎かにして、日々の掃除などに手間が取られる残念なお風呂になってしまうことも。特に換気などに効果的な窓で失敗するケースが多いようです。窓での失敗例として、隣家や道路からの視線が気にならないように設置したはいいものの、日陰の時間が多くあまり光が入らないなんてことも。ひと目を気にすることは大切ですが、光の入り方など計算してお風呂の窓は設置しましょう。せっかくの注文住宅なので、風と光を取り込む窓は設置したいものです。
濃い目の色は高級感があって素敵ですが、汚れが気になるという方は、意外と水あかなどが目立つため気になってゆっくりお風呂に入る気分ではなくなるかもしれません。また清潔感があるからと、ブルー系にする場合も、夏は良くても冬は寒々しく感じる場合があります。浴室でくつろぐためには、色も重要な要素であるということを忘れずに慎重に選びましょう。どの色にもプラス面とマイナス面があるので、何を優先するかによって色を選ぶことをおすすめします。
本当に必要な機能は何か考えずに、最新でカッコイイや便利という理由で機能を付けて、実際に使わなくて困ったという声が多いのをご存じでしょうか。みなさまが忘れがちなのは、なによりもお風呂場はメンテナンスをしっかりしなくてはならないということです。最新設備に憧れて付けたはいいものの、そのメンテナンスで大変な手間がかかることも珍しくありません。
計画時に必要な機能は何かしっかり見極め、掃除などの面でもチェックをすることが非常に重要です。ショールームで実際に見ることができるものであれば、実物を確かめて必要かどうかをしっかり判断することをおすすめします。
できあがってから後悔しないように、お風呂の注意点を参考に計画を進めてみてください。失敗例以外にも、皆さんが最も気になる浴室をつくる際の目安価格についてまとめておきます。相場感を知ることで、お風呂にかける予算もしっかり見極めることができます。
最も価格が明確なユニットバスでみてみます。商品のグレードによって価格も異なりますが、人気のある商品では平均的に73万円が相場と考えられます。
TOTO サザナ 1616タイプ | 750,000円~ |
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Panasonic オフローラ 1616タイプ | 768,000円~ |
LIXIL アライズ 1616タイプ | 695,000円~ |
※価格は、2019年11月現在の標準価格
浴室の広さやこだわりが多いほど高額になります。開口や浴室の広さ、浴槽の素材などによっては、200万円以上かかることもあり得ます。特に浴槽に何を採用するかは、費用が大きく変わる原因といえます。例えば、人工大理石でも、ポリエステル仕様は15万円~50万円、アクリル仕様は40~150万円と差があります。さらに設備で何を付けるかによっても大きく変わります。ミストサウナや浴室乾燥機能を付けた場合は、プラス50万円程度は見越しておきましょう。
あくまで相場価格帯ですので、諸条件などによって価格は前後することもあります。大切なのは、お風呂へのこだわりについて、しっかり優先度を付けて取捨選択してくことです。
何より、理想のお風呂を実現するために大切なのは、お風呂時間をどのように過ごしたいかということ。その要望をしっかりまとめ、3社程の施工会社に相談することで、ご自身では気づかないプロのアイデアや懸念点などに気づくことができます。もちろん提案内容によって、その会社の経験値を知ることもできます。造作風呂をご希望の場合は、特にその会社の施工実績によって出来栄えや、お風呂の快適性も変ってきます。
しっかりした実績ある会社を選ぶことが快適で贅沢に過ごせるお風呂のある家を建てる秘訣といっても過言ではありません。
こだわりのお風呂の家を実現するために、実績ある会社を選ぶことが成功する一番の秘訣です!
早坂淳一 保有資格:AFP(日本FP協会認定)/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/一般社団法人生命保険協会認定/シニア・ライフ・コンサルタント/
工務店支援プロジェクトに従事したのち、工務店にて営業を経験し、現在はハウスネットギャラリーを運営する第三者機関ネクスト・アイズ(株)にて、住宅コンサルタントとして活躍中。