早坂淳一 保有資格:AFP(日本FP協会認定)/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/一般社団法人生命保険協会認定/シニア・ライフ・コンサルタント/
工務店支援プロジェクトに従事したのち、工務店にて営業を経験し、現在はハウスネットギャラリーを運営する第三者機関ネクスト・アイズ(株)にて、住宅コンサルタントとして活躍中。
執筆・監修:ハウスネットギャラリー事務局 早坂淳一
更新日:2024年3月11日
ここ数年で、二世帯住宅を計画されるご家族が増えているのはご存知でしょうか。両親の高齢化や子世帯の共働きなどを理由に、「同居」にメリットを感じる方が多いようです。 親世帯にとってみれば、もしもの時に傍に子世帯がいることで、安心できるという点が一番の理由でしょう。子世帯は、育児のサポートが期待できるなどお互いに助け合うことができる二世帯住宅は魅力的ということです。
ハウスネットギャラリーでは、施工会社が実際に建てた100件以上の【二世帯住宅】の事例を掲載しています。その成功例から、双方が納得できる「二世帯住宅」を実現するためのポイントをご紹介しましょう。計画を進める上での注意点やプランのコツ、お金のことも含め総合的にまとめていきます。
後悔しない「二世帯住宅」を建てる秘訣をぜひご覧ください。
二世帯住宅とはその名の通り、2つの世帯が一緒に暮らす家のこと。
親と子で同居して暮らすということに抵抗を感じる方も多いのかも知れませんが、最近ではその二世帯住宅が見直されています。ご実家を建て替えたり、両親の所有している土地に建てるというパターンが多いようです。
そんな、注目の同居スタイル「二世帯住宅」のメリットをご紹介しましょう。
二世帯住宅だから単純に全部2倍と勘違いする方もいますが、意外に経済的なメリットが期待できるのが嬉しいポイントです。
・建築費の削減
両世帯で出し合えば、ひと世帯当たりの建築費用は抑えることができます。また、土地探しから新築は難しくても、ご両親の住んでいるご自宅を二世帯に建て替えという選択肢も生まれるため、選べる選択肢も広がり、土地代は掛からずに、建築費のみを考えればいいので土地取得費用がそのままコストダウンできるということです。
・光熱費の削減
通常の一戸建てに比べて、二世帯住宅は光熱費を削減できる可能性があります。
理由としては、屋根や地面など一面でも外気に触れないだけで、消費されるエネルギーが削減されるということです。つまり、通常の一戸建ては外周全てが外気に晒されますが、二世帯の場合は、上下左右にそれぞれの世帯の空間を作ることが多く、その別世帯と接している面が外気に晒されないため外気温の影響が単世帯住宅と比較して少ない家になるのです。
また、二世帯で共有する時間が増えることも大きなポイントです。
例えば、食事をする時間を一緒にすることで、家事の際に利用するエネルギーも共有できます。または浴室を共有することも、エネルギーの消費量は抑えられます。
計画する際に、その点も意識してみはいかがでしょうか。
・税金面でも優遇【土地の相続税評価額が80%も減額】
ご両親と一緒に暮らす二世帯住宅とすることで、「相続税対策」に繋がります。2015年から相続税の基礎控除額が引き下げられました。それによって、今まで相続税の対象ではなかった世帯も、相続税を支払わなければならない可能性が出てきました。
それを回避するために、「二世帯住宅」が役立ちます。親の所有している家を二世帯住宅にして、子が親と同居し、親名義の自宅土地を子が相続することで一定面積まで相続税評価額が80%も削減されます。
日々の生活を送るうえで、大切な家事などを双方でサポートできるのが二世帯住宅のポイントです。お互いの生活が快適になるよう、どの部分までを協力するのかしっかり決めておくことが重要です。
・日常の忙しさで煩雑になりがちな家事も協力して行える
どちらかの世帯が不在の時に、日常の家事をお願いできるのも嬉しいポイント。
例えば、急な雨の時に洗濯物を取り込んでもらうことや、宅配便を受け取りもお願いできます。さらに遅く帰ってくる日は、食事の支度をお願いすることもできます。単世帯では頼れる人がいないという場面でも、二世帯であれば違う生活スタイルの世帯と暮らすので家事の面で頼ることも可能です。
・子育てを親・子で協力して行える!
子世帯の共働きが増えている昨今、子育てをサポートしてくれる親世帯が近くにいることは非常に心強いものです。子供の保育園の送迎や学校からの帰宅時に親世帯に預かってもらえるので安心して仕事もできます。何より急な病気の際にも、仕事を休まずに親世帯にお願いできるのも子世帯としては嬉しいポイントでしょう。
親世帯も孫の成長を近くで見ることができ、無理しない範囲で子育てにも携わることができることが、生活の活力につながります。
・加齢による生活でのサポートが受けられる
普段の生活で歳故に心配なちょっとしたことも、子世帯が傍にいることで気軽に相談できます。いざ介護が必要になった際も、普段の様子を知る家族がそばにいることで、自然な形で介護を受けることができるでしょう。
何より嬉しいのは、急な病気や入院を余儀なくされた場合に、直ぐに家族に協力をあおぐことができるのは心強いメリットでしょう。また二世帯住宅は単世帯と異なり、完全に家が留守になる時間も少なくなります。そのため、防犯面でも効果的です。
ここまではメリットをご紹介してきましたが、物事には反するデメリットもあります。続いては、二世帯住宅で注意すべきデメリットをご紹介します。(こちらから)
現在、住宅会社から二世帯住宅のプランや見積りをもらって見ているけれど、もう少し予算やプランを頑張れる会社があれば・・・とお思いの方は、専門家へ相談できるハウスネットギャラリー事務局へご連絡ください。あなたのご計画に合わせて頑張れる住宅会社をご紹介します!気になる方はこちらからどうぞ。
二世帯住宅には、経済面や両世帯で協力して家事や子育てを行えるなど、魅力的なメリットをご紹介しましたが、ここでは二世帯住宅のデメリットと起こりやすいトラブルについてまとめます。
異なるライフスタイルの持つ2つの世帯が同居をする二世帯住宅では、ほんの少しの行き違いでトラブルを引き起こす可能性が高いことは間違いありません。メリットばかりに目を向けて二世帯住宅を建てると将来、失敗したと思うときが必ず訪れます。そうならないためにも、デメリットというマイナスな側面も事前に理解することが計画を進める上で重要となります。
やはり各世帯で適度な距離感を保つことが、二世帯住宅には重要なポイントとなります。二世帯住宅は共有部分が多いため、些細なことでも家族間の関係悪化に繋がります。
例えば、許可なく相手の領域に入ったり、物の貸し借りをするなどでも関係が悪化してしまうそうです。また、双方の生活時間のズレによって起きる問題も多くあります。共働きの子世帯は夜遅くに帰ってきます。それからの生活音が親世帯に響いてしまいお互いに気まずくなるというのは話は良く聞く問題です。
解決する方法としては、まず計画する際に各世帯の生活スケジュールを照らし合わせ、あまりにも時間が合わない場合は、同居のスタイルを変更する選択も有効です。工事費は高くなりますが共用型ではなく、完全分離型の二世帯住宅を選ぶなど検討するといいでしょう。
何より、二世帯住宅は双方で配慮ある行動を心がけ、我慢すべきは我慢し、甘えるときは甘えるといったメリハリをつけるよう心がけることも必要です。
家を建てる際に重要な間取りなど、人数が増えることにより意見が合わなくて苦労する話をよく耳にします。話合いに時間がかかり、想うように進まないなどのジレンマがストレスになってしまうこともあります。
それぞれの優先度をしっかり検討し、施工会社との打ち合わせ記録、それぞれの家族で合意した内容や決定した仕様など、すべての情報を親子間で共有するようにしましょう。あわせて自身の意見を必ずしも通そうとせずに折れることも大切です。
また、こうしたかみ合わない意見をくみ取ってくれる施工会社を選ぶこともポイントです。家族以外の第三者は冷静な判断をしてくれます。どうしても意見がまとまらない際は、依頼する施工会社とよく打ち合わせを重ねることも重要でしょう。
二世帯住宅はその家族に合わせた完全オリジナルの住まいであることから、他の家族が暮らすには難しい特殊な住まいとなります。簡単には売却できない住まいということは予め想定しておきましょう。
上記で述べた以外にも、細かい部分で知っておくべき、二世帯住宅の親子間のトラブルをここではご紹介します。実際に暮らしてみて後悔するようなことのないよう、事前に注意すべき点を知っておくことも成功するための秘訣です。
1.共有スペースが多いと困るのが「光熱費」。親子で折半するのかきちんと話し合うことが重要です。
2.何よりトラブルになりやすい「生活音」問題。
生活スタイルの違う2つの世帯で生活をするため、日常的な生活音で双方ストレスになることのないよう注意しましょう。考えるべきポイントとして、親世帯の寝室の近くに作ってはいけない空間を意識することで、大方の問題は解決できます。
その空間とは、「洗面」「浴室」「トイレ」は共用であれば極力近づけない方が無難です。「玄関」も同様に共有の場合は寝室から離しましょう。ヒートポンプ式の給湯器給湯器(エコキュートなど)・家庭用燃料電池(エネファームなど)設置する場合、それぞれの運転時に発生する低周波騒音にも配慮しながら室外機の設置場所を検討することも重要です。
3.家族人数が多いことから、お風呂やトイレが共用の場合は、たとえば出勤前・帰宅後の忙しい時間帯に混み合ってしまいます。
4.水廻り等が共用の場合、どちらの世帯が掃除するかでモメそうなので、初めにルールを決めておきましょう。
5.最もプライベート空間といっても過言ではない「寝室」。親子で寝室が近すぎると気持ちも落ち着かいためプランニングの際にしっかり検討しましょう。
二世帯住宅のデメリットや注意点を理解した上で、次は、二世帯住宅の種類とその特徴をご紹介します。(こちらから)
「二世帯住宅を検討しているけれど、どのように進めてよいのか分からない」や「家族間で意見がまとまらなくて困っている」という方は、まずは、二世帯住宅でどのように暮らしたいのかイメージを膨らませることから始めてはいかがでしょうか。ハウスネットギャラリーには実際に建てた二世帯住宅の事例が多数掲載されています。事例のアイデアを参考に、ご家族で家づくりについて話すきっかけにぜひご覧ください。
二世帯住宅で起こりがちなトラブルのひとつ、「お互いの生活音が気になる!」という声。
意外なもので、一緒に生活するまで生活音がこんなに気になるとは思わないご家族も多く、それによるストレスは計りしれません。
1階と2階で分けた二世帯住宅で、2階の子供の声や足音が意外と1階に響きます。急に起こる大きな物音でびっくりすることもしばしば。もちろん計画の段階で、寝室の上に子供部屋や水回りを配置しないなど工夫をしていても、昼間のドタバタする音についつい苦言を言ってしまいギクシャクすることも。子供が小さいうちは、動き回ったり、大きな声が出てしまうのは仕方ないと思いつつ生活のしづらさを感じてちょっとしたストレスになることもあるようです。
逆に、親世帯への不満もあります。
縦横で生活空間を分けた二世帯住宅で、起きる時間の早い親世帯の水音や洗濯・掃除の音で、本来ならゆっくり寝てられる休日に起こされたことがありイライラするなんてことも。
まず、生活音などは気にならない、と思っていても万全の対策をとっておくことに越したことはありません。
防音性能や間取りを工夫することが重要です。床は音を吸収するカーペットや防音マットなどもありますので、ぜひ計画時点で壁や床には防音効果の高い建材を使うようにしましょう。間取りであれば、寝室の近くに水回りを置かない・生活時間のズレが明確な場合は玄関を共有にしない・上下階ではなく横割で生活空間を分けるなど。様々な対策方法があります。
間取りの点でのトラブルも意外に多いのが二世帯住宅。
例えば、「第2子が生まれて、子供部屋が足りない」や「仕事部屋もう少し広く取りたかった」「そもそも狭くてお友達を呼べるほどのスペースがない」などの不満が・・・。それぞれの生活人数や生活スタイルに合わせて使う広さなどはしっかり計画することが重要です。
キッチン共有だと一緒につくる事も多く、準備などの手順や味付けなど、ついつい口を出してしまい、お互いにストレスになることも。そもそもキッチンスペースが足りずに、別々でつくる家族などは、相手の予定に合わせる必要があるので、気をつかう原因に。自分の好きなときに使えなかったり、手順などで言い合いはぜひとも避けたいポイントです。
子世帯で多いのは、自分が仕事で遅くなったり、子供の帰りが遅くなると、親が気をつかって用意をしてくれたりする事もありますが、ご飯いらない人がいた場合に、無駄な事をさせてしまったと罪悪感を多少なりとも感じてしまうという声もあります。
単世帯より人数が多いので、立て続けに入れば問題はないですが、それぞれの生活スペースを乱される可能性も。特に子供が大きくなるとなかなか思った通りの時間に全員が入り終わらないので、他の家族がモタモタしているとついイラっとしてしまうなんて事も。他の家族の生活リズムを常に気にしなければならず、疲れしてしまいますよね。
リビング共有の場合でよく聞くのが、「くつろげない」という声。来客があれば、その時間は他の家族が使えない、自分の好きな時間に使えないためちょっとしたストレスになることも。ソファーなども常に同じ人が使うので、他の家族は居場所が定まらず、リビングから足が遠のいてしまったという声も耳にします。
せっかくのくつろぎ空間が窮屈に感じてしまうなんて、もったいないですよね。
二世帯住宅には、同居のスタイルがあります。共有・部分共有・完全分離の3つ。生活スペースを広く確保したいことが優先度として高い場合は、共有型を選ぶといいでしょう。生活スタイルが全く違う場合や、互いに干渉されたくないという希望が強い場合は、完全分離を選ぶことで、玄関はおろか共有スペースがゼロになるので、各世帯で自由に計画することができます。もちろん共有型に比べると、土地の広さは必要ですし、費用感もお高目です。
友人を家に招待して楽しいひと時。せっかく家を建てたので仲の良い友人を招待することはよくあることです。
二世帯住宅だからこそ、単世帯では起こらないトラブルがあります。今までは気軽に呼べていたのに、別世帯が一緒だと気を使うようで、ちょっとした不満が重なるようです。
来客用のスペースがないので、家族で共有するリビングに通すと、他の家族と鉢合わせてちょっと気まずい思いをした。そもそも事前に来客の予定や、他家族のことを考えて気をつかうことも多く、少し面倒に感じる。
せっかく友人と楽しく話していても水を差される可能性や、友人も他の家族に気をつかってくつろげない空気で、思いっきり楽しめないことも多いようです。
玄関共有なので、誰が家に来たのか分かってしまい、帰った後にいろいろ聞かれるのが面倒という声も。気軽に友人を呼びにくくなるのは残念ですよね。
玄関共有で、来客用のスペースもないので、他の家族への根回しなどもあり、いろいろと気を使うし、友人も気軽に行ける環境じゃないと遠慮するようになり、誘うこと自体少なくなってしまうことも。
頻繁に友人・知人を家に招くことが予想される場合は、双方で使いやすいゲストルームを検討した方がいいでしょう。それも玄関に近い場所に設けると他の家族と来客が顔を合わせる頻度も減るので、そういった間取りの工夫も大切です。来客の頻度の高いご家族はそもそも玄関を一緒にしないことがおすすめです。
事前に来客の頻度について話合い、間取りを決めていくとトラブルにならずにすむかもしれません。
二世帯住宅を建てよう!となったときに、絶対に話し合っておくべきポイントといえる「お金」のはなし。
実際にそのトラブルで本来であれば、快適に暮らせるはずの二世帯住宅が散々な結果になることも・・・
計画時点で敬遠せずに「お金」の話をした家族は、満足度が高いという事実もあるそうです。
「光熱費が自分たちの家族だけの時より多くなってしまった」「事前に光熱費など相談しておけば良かった」
決めていなかったために、何度も口論や話合いをしたというご家族も意外と多いようです。
共有型だと、光熱費を とちらが・どれだけ 使ったかが分からないので、難しい問題に発展しがち。
二世帯住宅の建築費用は自分で払うという約束で計画をはじめましたが、それ以外の世帯の設備や間取りの要望がどんどんを出てきて、当初の予算よりプラスになった!そうなると、言い合いも絶えなかったりギクシャクしてしまうことも考えられます。自分たちは大丈夫と思わずに、お金のことですから、事前に「当初の予算より追加費用分は各世帯で負担する」など決めておくようにしましょう。
二世帯住宅に掛かるお金で考えなければいけないのは2つ。
1つは「建築費」。どちらが負担するのかなどはその世帯によって異なります。余裕のある世帯が少し多めに出したとして「多めに出しているから・・・」という態度はNGです。親子で半々というケースや、100%どちらかの世帯など分け方はそれぞれですが、しっかり話し合って決めましょう。
また、意外とルール化されていなくて後から問題になるのが、2つ目の「光熱費」。分配しやすいようにメーターなどはそれぞれでつけるなど検討すべきこともありますが、こちらも家を建てる前にしっかり話し合っておくことが大切です。
プランニングの基本となるのは、同居のスタイル。大きく分けて【完全共有】【部分共有】【完全分離】の3タイプがあり、家族の生活スタイルに合った形を選ぶことで理想の二世帯住宅が建てられるでしょう。
ポイントとしては、以下の2点。
・コミュニケーション重視なら共用型
・各世帯の独立性重視なら分離型
それをふまえ、二世帯住宅のスタイル別の特徴をまとめていきます。
建築コストも規模もスリムになるのがポイントです。世帯間で自然なコミュニケーションが生まれこともメリットの1つ。共有スペースである居間やキッチン・トイレ・浴室などの設備は共有で使用します。
・メリット
全て分離される二世帯住宅に比べて共有スペースが多いため、建築費が抑えられる
・デメリット
共有部分が多いため、プライバシーや生活の自由度は低め
生活時間のずれによって、生活音に非常に気をつかう
そんな完全共有型は、1階に共有部分の「玄関」「LDK」「浴室」「トイレ」などを設置し、2階にそれぞれの個室を設けるプランが一般的です。二世帯での暮らしが成功するかどうか、親子関係が一番関わってくるスタイルと言っても過言ではありません。
プランニングの際は、共有スペースと個別スペースの配分を要検討することが非常に重要なポイントとなります。
さまざまな間取りが選択できるのがポイント。完全共有型よりプライバシーが保たれます。玄関・キッチン・洗面・浴室など、そのいずれかを共有するため、限られた面積でも各世帯ごとで自由度の高い間取りを選択できるのもポイント。建築費も抑えられます。
例えば、以下のように共有する部分を家族に合わせて選択できます。
「玄関」のみ共有型:玄関を除く全ての部分を各世帯ごとで分けることも可能。
「玄関・浴室」のみ共有型:キッチン・居間・トイレは別々に利用。
「玄関・浴室・居間」のみ共有型:キッチン・トイレは別々に利用。
どのプランでも気兼ねなく生活するスペースは分けつつ、適度な距離感が保たれます。各世帯のコミュニケーションが取りやすいよう工夫をするとさらに暮らしやすい二世帯住宅となります。
・メリット
面積が限られていても、二世帯住宅を実現しやすい
共有スペースを選択することができるため、間取りの自由度が高い
両世帯の気配が伝わりやすいがため、ふれあい時間を適度に持てる
・デメリット
完全共有型に比べ建築費が高くなる
共有部分とプライベートスペースを明確に分けられることから、各世帯の思考を調整するのに手間と時間がかかる場合が多い。
完全分離型には2タイプあり、1棟の建物を「上下」「左右」で分けるタイプと、庭や通路で2棟の建物を繋ぐタイプです。
左右完全分離:
玄関を別々に設け、二世帯それぞれに独立した生活機能を持った間取り。
上下完全分離:
1階・2階でそれぞれに玄関を設け、外階段で上下階を繋ぐ間取り。内階段などで共有するスペースをつくることも可能です。
2棟完全分離型:
ひとつの敷地に各世帯それぞれの独立した住まいを建築する二世帯住宅。完全に各世帯ごとで分けるため独立性の高いプラン。親世帯の土地の中に子世帯用の家を建てることも可能。共有部として、各住まいの間に中庭やウッドデッキを設け行き来することもできます。
共有型の二世帯に比べ、各世帯ごとに家を建てるため、建築費などは割高となります。ただ共有部分がないため、間取りなどは各世帯ごとで自由に選択することができるのがポイント。
・メリット
各世帯のライフスタイルを維持でき、プライバシーが保ちやすい
生活スペースが別なので、自由に家事や食事ができ、生活音も気にならない
将来、どちらか世帯用の建てたものを賃貸等に活用しやすい
・デメリット
水廻りの設備が各々の世帯で必要になることをはじめ、ほぼ新築2棟分の建築費がかかる
それぞれの世帯ごとに居住スペースが必要になることから、広い土地が必要
お互いの気配が伝わりにくい分、万一の急病や事故に気づきにくい
二世帯住宅のスタイルごとの特徴をお伝えしましたが、どのスタイルがご自身に合っているのか、気になるところです。続いては、その最適な間取りを選ぶポイントをご紹介します。(こちらから)
建てたい二世帯住宅の要望に合わせて選ぶスタイルも変わるもの。まずは、ハウスネットギャラリーに掲載されている二世帯住宅の事例からイメージを膨らませてみるのはいかがでしょうか。あなたの二世帯住宅の参考になるアイデアをぜひ探してみてください。詳細はこちらから。
二世帯住宅には様々なタイプがあることをご紹介しましたが、その中からどのように間取りを決めるのか悩むところです。
そこで、ご自身にとって最適な間取りを選ぶポイントをご紹介しましょう。
生活リズムの違いから生活音が各世帯のストレスにつながりやすいのが部分共有型の二世帯住宅の特性です。また水廻りなどを共有する場合は、光熱費・水道料金などに関する問題も出てきます。実際に各世帯ごとで、気にするポイントをご紹介しましょう。
(親世帯)
孫の泣き声や走り回る足音が気になる
子どもの帰宅時間が遅く、玄関ドアの開閉音で起きてしまう
(子世帯)
親が早朝から動き始めるため休日もゆっくり寝ていられない
夜中に複数回トイレに行くので排水音が気になる
上記のような問題を解決するために、各世帯の生活スタイルに合わせた間取りや水廻りは別々にするなどの配慮が必要です。例えば、上記の理由からトイレやお風呂、キッチンは共有せず、適度な距離感を保てるように個別スペースと共有スペースを明確にしておくことが必要です。
これから子育てや日常生活でお互いに協力しやすいように、【部分共有型】は適度な距離感を保って様々な間取りを検討することができます。例えば、コミュニケーションの取る場としてリビングのみ共有するなど。つまり間取りの自由度が高いことで、両世帯のライフスタイルに合わせて最適な間取りを選択するのにおすすめです。
おすすは1棟を上下・左右で分ける完全分離型二世帯住宅です。玄関・リビング、水回り全て各世帯ごとで分離するプランのため、日常は各世帯ごとの生活スタイルで過ごすことができ、特別なイベントごとでは二世帯が一緒に楽しみ交流が持てるのがポイント。
なぜおすすめかというと、訪問介護などを利用する機会が訪れたとき、親世帯のバリアフリー化を検討する場合など、子世帯の生活に干渉せず親世帯単独で間取りを検討できるため、自由度の高い分離型は有効です。またある程度、自分で行動することもでき子世帯に頼り過ぎない点も親世帯には嬉しいポイントです。何かあった際には、近くに子世帯がいるという安心感もあります。
無理に生活スタイルを合わせることもせず、干渉しないライフスタイルが完全分離型二世帯住宅では実現するでしょう。
次に、計画する上で最も重要な二世帯住宅を建てる際のおおよその費用感をご紹介します。(こちらから)
「住宅会社からもらったプラン以外にも、もう1社ぐらいプランなどを検討してみたい・・・」という方は、二世帯住宅の得意な会社を住宅の専門家であるハウスネットギャラリー事務局が厳選してご紹介します。ハウスネットギャラリーの掲載会社の特徴を理解した専門家があなたにマッチする住宅会社をお選びしますので、ご希望の方はこちらからご連絡ください。
生活スタイルを完全に分けられるので、適度な距離感でお互いが生活しやすいため、ここ数年、一気に注目を集めているのが、「完全分離型」の二世帯住宅。ここでは、完全分離型の間取りについてご紹介します。
完全分離型を選ぶご家族は、互いにライフスタイルの干渉を望まないケースが多く、近いけれど距離感を大事にします。
隣合わせにしてしまうと、外に出るタイミングが重なったり、友人を招いた際も気まずい思いをすることもあり、せっかくの分離型なのにちょっとしたストレスの原因に。そうならないためにも、玄関は隣接させずに離すことを意識しましょう。
何かあったときの事も考えてまったく見えな位置ではなく、上の図のように、目隠しになる境界線があったりするだけで充分です。
生活音は何かと気になるもの。住む前は大丈夫と思っていても、実際に生活を始めると隣の水音などが気になるというケースが多いのも事実です。
そこで、お風呂や洗面などの水回りは隣接させることで、お互いに気を使う必要がなります。
もっとも気を付けた方がいいのは、相手のリビングや寝室の近くに、自分たちの使うお風呂やトイレ空間を隣接させることです。どうしても間取り的に難しい場合は、必ず、玄関や収納を間に配置するなど工夫をしましょう。
1階と2階の上下で分かれる二世帯住宅では、「音」問題に注意しましょう。
どんなに気をつけても音を立てずに生活することはできませんので、間取りで工夫が必要になります。
例えば、水まわりは上下で極力同じ位置もしくは、近い位置に配置すると水音を気にする心配もありません。特にお風呂とトイレは上下で近い位置にすると配管もシンプルになるので、別の部屋にいて水音が気になるといった事もなくなります。
いくら生活時間が異なるとは言え、子どもが小さいうちは食事の時間などが一緒になる可能性や、2階に来客があった場合などに、下のリビングに音が響いてということも考えられます。
そうならないためにも、リビングの位置は上下階で重ならないようにすると、双方でくつろげるリビングになるでしょう。
寝室は寝る場所です。その上に生活の中心である、リビングなどを配置するのは絶対に避けましょう。つまり、寝室の上は寝室にして、絶対に水回りや子供部屋・リビングは避けるのが鉄則です!
左右と上下以外に、もう1つが「2棟完全分離型」。建物が別々に分かれている家を2棟建てるようなつくりなので、それぞれの世帯で間取りなども自由に決められます。二世帯住宅の中でももっとも広い面積が必要なため、建築コストも高いですが、その分、ほかの二世帯住宅で起こりがちな生活音などの問題は起きないので、お互いに気兼ねなく暮らせるのが最大のメリット。
逆に、距離感が遠いともいえる2棟完全分離型なので、二世帯住宅を選ぶ理由になる、日々の家事や子育てなどの協力体制がとりにくいという点には注意が必要です。
建物は繋げずにお互いのプライバシーを確保しつつも、中庭やガレージなどのどの世帯も使えるスペースを共有させることで、そのスペースだけで交流するので、程よい距離感で気兼ねなく暮らせます。それぞれの中間地点にちょっとした休憩スペースがあるといった印象で、自由に使えます。
例えば、家族全員で食事をすることも、ソファセットなどで個人的にも複数人でくつろぐなど、使い方は自由です。双方で気兼ねなく使えるスペースとして、中庭などを設けるのはとてもおすすめです。
生活空間を優先させたい場合などには、ちょっとしたテラスを唯一の交流の場にするという手もあります。
シェアスペースは、双方の家族が交流する場であって、来客などは通さない完全なプライべートスペースという認識でつくる事がポイントです。
二世帯住宅を検討し始めた際に、最も気になるのが、その建築費用ではないでしょうか。ここではそんな二世帯住宅の建築費用についてお話しします。
あくまで目安価格となりますが、ご計画の参考にご覧ください。
建築費は、おおむね以下の要素によって決まります。
・同居のスタイルは「完全分離型」にするのか「共有型」にするのか
・メーカー・工務店など、どの施工会社に依頼するのか
・延床面積はどのぐらいを想定しているか
・お風呂やトイレは1ヶ所にするのか、それとも2ヶ所以上にするのか
・工法はどうするのか(木造・鉄骨など)
建築費に大きく関わる部分は、同居のスタイルです。玄関やトイレ、お風呂など全てが2つずつある完全分離型と、共有する部分の多い共有型では建築費は大きく変わります。共有型の場合は、通常の単世帯住宅と比較しても建築費はさほど変わらないでしょう。問題は、完全分離型二世帯住宅の場合。相場として、最低でも単世帯住宅の1.5倍~2.0倍程度と考えておきましょう。
さらに詳細に、工法別や同居スタイル別の建築費の目安もご紹介します。
<在来軸組工法> 本体・付帯工事費で坪60~70万円前後
<2×4工法> 本体・付帯工事費で坪60~70万円前後
<木質パネル工法> 本体・付帯工事費で坪60~70万円前後
<軽量鉄骨工法> 本体・付帯工事費で坪60~70万円前後
<重量鉄骨工法> 本体・付帯工事費で坪80~90万円前後
<鉄筋コンクリート造> 本体・付帯工事費で坪90~
※上記は、単世帯(同居型)延床40坪・中級仕様の場合で算出
・完全共有型 3,200万円(土地代除く)
個室や収納スペースは多く取れるが、キッチンなど水廻り設備、玄関、LDKは共有のため、基本的に単世帯住宅と仕様は大きく変わりません。しかし、単世帯住宅より建築費がプラスになりやすい要素もあるため注意しましょう。そもそも床面積が単世帯に比べ大きい場合が多いこと、また部屋数やドア、窓の数が多いなどの理由で費用はプラスになることがあります。
・部分共有型 3,700万円(土地代除く)
世帯ごとのプライベート空間を増やすほど、価格がプラスされます。完全共有型よりは各世帯のプライバシーは確保されますが、共有部分もあるため完全分離型より安価に済むため、最も多く採用されるタイプでしょう。
・完全分離型 4,000万円(土地代除く)
3つのスタイルの中で最も平均建築費が高いのはご想像の通り【完全分離型】。2棟の住宅を建てるため、どのタイプより建築費は高くなります。玄関から水廻り設備まで全てが各世帯に必要なため、その分コストは2倍かかります。完全共有型と比較して1.25倍、金額にして約800万円の差。間取りの自由度はどのスタイルよりも高いことはメリットです。
(出典:「2014年 注文住宅動向・トレンド調査」(リクルート住まいカンパニー調べ)。2014年9月6日~9月17日、インターネットで1年以内に一戸建て(新築・建て替え注文)の建築した人を対象にアンケート。各平均値は極端な数値を除外して算出(上記同)
二世帯住宅の建築費は選ぶスタイルによって大きく変わります。また費用をどの世帯がどの程度負担するのかしっかり話し合いましょう。
最後に、二世帯住宅で一番手間のかかる、家族の意見をまとめる際のポイントをご紹介します。(こちらから)
「自分たちの要望や予算で、希望の二世帯住宅が建てられるのか不安」という方は、住宅の専門家であるハウスネットギャラリー事務局へご質問ください。住宅会社に直接聞くのは怖いけど、いろいろ質問したいという方におすすめです。ご希望の方はからどうぞ。
二世帯住宅を検討する際に苦労するのは、関わる人数多いことです。すんなり家族の意見が一致すればいいのですがそうとも限りません。
親世帯・子世帯で確認しておくべきポイントをご紹介します。
子世帯、親世帯で考え方が違うのは仕方のない一面もありますが、それぞれの世帯内で意見が異なれば、話し合いはより難航します。その際に「どこまでなら譲れる」という譲歩のポイントまで擦り合わせておくと尚良いです。「こちらは不満だったのに、相手が勝手に返事をした」ということになれば、後の禍根ともなりかねません。
子世帯・親世帯で意見は統一しておくことが非常に重要です。
資金といっても様々あります。きちんと世帯ごとでの分担を決めておくこともポイントです。建築コスト・登記区分の割合・建物の面積・ランニングコスト(水道・ガス・光熱費など)。分担を決める項目は多数あります。
まずは、頭金や住宅ローンの支払いは誰が請け負うのか、その配分で発言権の強さを決めるのも計画を進める上で大切でしょう。
二世帯住宅は生活時間のズレで起こる問題が多くあります。その問題を解決するために、親世帯・子世帯のそれぞれの生活スケジュールを書き出しみましょう。
起床から就寝までの基本的な生活を書き出すと、各世帯ごとの違いや注意点が見えることがあります。
生活スケジュールとは、主に以下のようなもの。
・起床時間
・朝準備(洗面やトイレを利用する)の時間
・出勤・通学時間
・外出時間(頻度の高い時間帯)
・食事時間
・入浴時間
・就寝時間
生活スケジュールから各世帯間の違いを間取りに反映することが可能となります。そうすることで、生活音などによるちょっとしたストレスを減らすことに繋がります。
例えば、子世帯が夜遅くに帰宅するのに玄関共有では親世帯が落ち着かないでしょう。寝室の位置や水回り・玄関を分離するか共有するか判断するために生活スケジュールを書き出すことが重要です。
また生活スタイルがあまりにも異なる場合は、共有型は難しいという判断にもなります。
水回り系は念入りに打ち合わせをする必要があります。料理・洗濯・掃除の仕方や時間帯などしっかり話し合うことで、キッチンなどの水廻りを共有するか分離するかという判断につながります。
特にキッチンは、冷凍冷蔵庫とシンク・コンロの配置をはじめ、食材や鍋、調理器具、調味料など各種収納の位置やワークトップの高さ、シンクの深さなど親世帯と子世帯で大きく異なる場合もあるため要注意。完全分離型であれば各世帯に合わせることが可能ですが、キッチンが共有な場合や完全共有型の場合は、両世帯で使い難くなることは避けたいもの。
共有を選ばれる場合は、日頃からどちらの世帯が家事を行うのかしっかり検討して水回りは計画されることをおすすめします。
完全分離型の場合は、両世帯のキッチンのグレードを揃えることもポイントです。
キッチンは女性にとって大切な場所。キッチンの使い方にはそれぞれのスタイルがあります。また、冷凍冷蔵庫とシンク・コンロの位置関係に代表される長年かけて培ってきた家事動線をはじめ、オーブンレンジの位置、調味料やカトラリー、いろんな大きさの鍋や調理器具の収納場所に代表される使い勝手とは、そう簡単には変えられないものです。
そんな、強いこだわりがあるキッチンについて、それぞれの世帯のキッチンのグレード (価格帯)が違っていたらどうでしょう。
最初の頃はキッチンのグレードが違っていてもそんなに気にならないとしても、長い年月を経ることで、カウンター天板や面材の傷み具合も違ってきますし、そのキッチンの傷み具合の差が、嫁姑の関係悪化の原因になるかもしれません。
来客の度に他世帯に対して気を使うことのないよう、頻度や来客との関係性によって検討が必要です。来客時の動線を考える上で非常に重要です。
子世帯の来客が2階にある子世帯のスペースへ行くのに親世帯のスペースを横切るような動線になっては双方気まずい思いをします。そうならないために、来客が多い場合は、各世帯のスペースを侵害しないような動線を検討することが必要です。
二世帯住宅のデメリットとしてよく取り上げられるのが《家族同士の人間関係》ですが《家族同士の人間関係》を悪化させないため、計画段階から配慮すべき点がいくつかあります。
まず、二世帯住宅における建築プラン主導権は、一般的に親世帯になることが多いようですが、親世帯・子世帯、またはそれに類するいずれかの世帯が主導権を握っていても、プランの打ち合わせは両世帯同時に行い、プラン決定までのプロセスを含め、すべての議事を文書にて管理します。(メール・メモ・手書きシート等)
さらに、すべての情報を2つの世帯で共有することが最も重要です。
これだけでも、世帯間での無用なもめ事が避けられます。
二世帯住宅を計画される場合は、上記で上げたように家族で話し合うべきポイントが単世帯に比べて多くあります。もちろん人数も多いため意見をまとめるのが非常に難しいのも注意点。そんな二世帯住宅では、両世帯の意見をきちんと汲み取って、プランなどに反映する以外に、上手く両世帯の意見のズレを指摘して方向修正を図ってくれる施工会社が必要となります。
そんな冷静な判断力を持つ施工会社を見極めるには、二世帯住宅の「建築実績」が多い会社であることが重要です。実績が多ければ多いほど、打ち合わせの進め方や提案内容などご安心いただけるはずです。
二世帯住宅の計画には、実績ある施工会社を選ぶことが重要です!
早坂淳一 保有資格:AFP(日本FP協会認定)/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/一般社団法人生命保険協会認定/シニア・ライフ・コンサルタント/
工務店支援プロジェクトに従事したのち、工務店にて営業を経験し、現在はハウスネットギャラリーを運営する第三者機関ネクスト・アイズ(株)にて、住宅コンサルタントとして活躍中。
二世帯タイプ:完全分離型
二世帯タイプ:部分共有型
二世帯タイプ:完全分離型
二世帯タイプ:部分共有型
二世帯タイプ:部分共有型
二世帯タイプ:完全分離型
二世帯タイプ:完全分離型
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