住宅関連記事・ノウハウ
上手な室内換気(自然換気・機械換気)と掃除のコツ
1 窓を開けて換気するために「換気経路」が重要
新型コロナウイルス感染予防対策の1つとして、室内換気に対する関心が高まっています。誰しも換気について、窓や玄関を開ければ済む、など簡単に考えているとはいえ効果的に室内換気をするためのコツとは、いったいなんでしょうか?
窓を開けて換気する目安は、だいたい『1時間あたリ5分~10分ほど』といわれています。たとえ窓を開けている時間が短時間だとしても、頻繁に換気するほうがより高い効果を期待できます。家より人の多いオフィスや商業施設の場合、1時間に2~3回を目安に換気するのがよいと言われています。
ここで大事なポイントは、単純に1時間あたリ5分~10分ほど窓を開けるだけの換気ではありません。室内の空気をうまく入れ替え、効率的に換気する『換気経路』を考えることが、重点ポイント。
家庭で考える換気経路3つのポイント
1か所の窓だけでなく、その対角線上にあるほかの窓も開けて、家全体に空気の流れをつくる
たとえばキッチンの場合、たとえレンジフードを回しながらすぐ近くの窓を開けていても、空気の流れはその周辺のみで完結してしまい、効率的な換気にはなりません。ただし、換気経路を考えて、やみくもに室内扉を開けたままにしておくと急に流れ込んできた空気で、室内扉が勢いよく閉まることがあります。これは、怪我や室内扉の破損につながるので、気をつけましょう。また、冬場に室内扉を開けっぱなしで窓を開けてしまうと、暖かい空気が寒い玄関に流れ出し玄関に湿気がこもり、建物の老朽化や結露によるカビの原因ともなります。
各部屋の壁に付いている「給気口」を確認
外から空気が入ってきて寒いことから、冬に「給気口」を閉じてしまったまま、そのまま閉めっぱなしになっているケースが多いと聞きます。給気口を閉じたままだと、換気経路の給気側から屋外の空気が屋内に入らないので、家全体の換気効率が下がります。通常の家庭用エアコンやパッケージエアコンを使っていることで、同時にエアコンが換気をしてくれている!とお考えの方々もいらっしゃいます。通常の家庭用エアコンやパッケージエアコンは、あくまでも室内の空気を循環させているだけで換気は行っていません。エアコンをオンにしているから大丈夫というわけではなく、エアコンしかない部屋においては、なおのこと窓を開けて換気するか、換気システムを運転することが推奨されています。
2003年の改正建築基準法以降のすべての建物に設置が義務づけられている「24時間換気システム※」)をチェック
住まいに備え付けらている各部屋の給気口から空気を取り込み集約して排出する換気システム。「24時間換気システム」が正しく使われていれば、約2時間で部屋全体の空気が入れ替わります。しかし、「24時間換気システム」の存在は、普段意識することもなく、実際のところ電気代を節約するため換気システムのスイッチを切ったままという方が多いようです。その理由として、24時間換気システムを止めても、一般的な空気清浄機があるから大丈夫と、お考えの方々もいらっしゃいます。
ところが、一般的な空気清浄機については換気量に比較して通過する空気量は多くありません。よって、部屋全体に対する新型コロナウイルス対策に対し、十分な効果があるかどうかはわからない、とのことです。もちろん、空気清浄機の能力にも幅があることから、空気清浄機だけに頼るのではなく、通常の換気を行うことが推奨されています。最近の住宅は高気密・高断熱化が進んでいることから、こうした換気機能を正しく使わないと、室内の換気が行き届きません。
参照:
2 新型コロナウィルスは接触感染!?
こまめな換気をするにあたり、ドアノブやスイッチ、窓枠などに触れる機会が増えてきます。新型コロナウィルスは接触感染です。
ドアノブやスイッチ、窓枠はもちろんのこと、手すり、トイレなど、家族の手が触れる場所は、70%~80%の消毒用アルコール、0.1%次亜塩素酸ナトリウム消毒液(通称:ハイター消毒液)で拭き取るのが良いとされています。人が触れるたびに拭き取ることは、実際のところ非常にたいへんです。こまめに拭き取ったから、100%感染を防ぐことはできません。※多少の予防効果にはなる、という程度に考えておきましょう。
そこで、新型コロナウィルスの消毒(不活性化)のため、頻繁に触れるドアノブや窓枠、スイッチプレートについては、中性洗剤をつけた軍手を使って、ドアを開けるときと同じように握ってこすったり、指先を使って引き戸をこすったり指先でスイッチプレートをこすったりすることが効果的といわれています。もちろん、上から下まで階段の手すりを握ってこすったり、トイレの便座や操作パネル、手すりや水洗レバーハンドルまで指先でこすって掃除しましょう。掃除が終わった後の軍手は、洗濯用洗剤で洗って干しておけば、何度でも使えます。
現時点では残念ながら「絶対コロナウイルスに感染しない方法」はありません。しかし、恐ろしいコロナウイルスから身を守るため、換気と掃除をはじめとした対策を取って、自宅でできることをやって備えましょう。
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