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住宅関連記事・ノウハウ

建築家 天野 彰 都市での家づくり 都市に住む防災姿勢?

1 都市に住む防災思想とは?

写真:四国脇町「二段卯建(うだつ)」:天野 彰
<写真:四国脇町「二段卯建(うだつ)」:天野 彰>

本来都市に住む基本とは、住まいづくりの根底となる思想とはいったいなんでしょう?

利便性が高く多くの人が住めば当然被害のリスクも高まり各家は狭く、しかもその多様性から家族の生活は勝手気ままに暮らせバラバラとなり被害の範囲も多岐に渡ります。これが都市での生活、都市での住まいのカタチとなるのです。

しかし残念なことはいまだ地方での生活の姿勢のままで家のつくりもその感覚で設計され、しかも家の周囲環境も変わらないままで、ひとたび災害や事故が起これば一瞬にしてパニック状態になるのです。現在最も優先すべきは、インフラも含めた総合的な防災強化です。各戸の耐震のみならずあらゆる災害を想定した防災対策が必要となるのですが、何よりもその前に人々の「防災の意識」と「防災の思想」を持つことが大切ではないでしょうか。

人々が密集すれば各戸は当然狭くなり、さらに高層の住まいとなります。その都市住宅で家族がどう住むか?家族の安全を考えることが最優先となるのです。

2 都市の防災は“減災”思想

写真:四国脇町「二段卯建(うだつ)」:天野 彰
<写真:四国脇町「二段卯建(うだつ)」:天野 彰>

そこで、まず「防災の思想」とはいったいなんでしょう?

あの311の津波の衝撃でつい極端な防災意識となるのですが、阪神淡路での突然起こる都市直下地震の破壊、さらには最近多発する線状降水帯による集中豪雨での洪水や土砂災害。さらに豪雪などの異常気象に対する対策も必要です

そもそもの原因はすべて工業化から都市の密集化が引き起こす災害で、さらに地球規模の温暖化となり、人災となれば、利便性を求め住む人それぞれがその原因を極力つくらず、その結果を少しでも減らす思想、“減災”思想を持つことと言えるのではないでしょうか?

そのためにはまず自分自身と自宅を守ることから始める必要があります。結果としてその附近、街を救うこととなるのです。

3 何よりも一人一人の守る意識

写真:京都町家の「二回端の卯建(うだつ)」:天野 彰
<写真:京都町家の「二回端の卯建(うだつ)」:天野 彰>

当時からも行政もあるにはあったようですが、江戸や京都の街では大火災が怖れ、いろいろな工夫やルールをつくって来たのです。何よりも都市に住む人々の防災意識が高く、モラルのようにもなっていたのです。

それこそが各戸を区画するあの町家のつくりであり、沿道のあの卯建(うだつ)の防御「卯建が上がる」と言えば、まさに“めでたい出世”繁栄をたとえた表現です。

実際に裏通りから街道の表通りに店を構えることで、卯建の「卯」とは、写真のようなうさぎの耳のように隣家からの“もらい火”を防ぐ防火壁であり防御壁で、密集する都市での防災防犯の知恵と言えるのです。与えられた家や街に単に住むのではなく、行政に縛られることでもなく誰もが経験した苦い体験から生まれた「知恵」と「意識」で街を守る暮らす人々の守る意識の「減災思想」なのです。

次回は家の中の防御?についてです。お楽しみに。<家づくり・リフォームを始める前に>

家づくり・リフォームは難しい、そんな話をよく聞く。
難しくさせている原因のひとつには、衣・食・住という三大要素の中で「住」というこの業界があまりにも不透明で遅れた業界だからであろう。
たとえば、「食」の業界、材料ひとつとっても、○○村の○○さんが作ったトマトまで情報が開示されているのに対し、住宅業界では、断熱材一式工事というのがまかりとおる。ロックウールが使われているのか、グラスウールが使われているのか、はたまたアスベストなのか。悪徳リフォーム業者の問題、耐震偽造事件の問題と相まって、消費者を疑心暗鬼にさせる。

もうひとつが、売り手主導という問題。これだけ高額な買い物であるのにもかかわらず、相談しに行くのは売り手に相談をしに行く。リフォーム店に行けば、まだまだ持ちます、リフォームしましょうという話になるし、建替え専門の施工店に行けば、リフォームしても高くつくし、いっそ建替えましょうという話になるのは当たり前の話だ。

そして、何より消費者自身が、自分自身のことを何も把握していないことだろう。将来の生涯設計、家計の中での収入と支出、家づくりに対しての具体的な夢、何も整理されていないのに家づくりを始めてしまう。いい例が住宅展示場。過半数の人が、たった一日、最初に飛び込んだ2~3社で決めてしまう。住宅展示場はどんなに小さな展示場でも10社以上、大きな展示場では100社近くあるものもある。なぜこんなに安易に決めてしまうのか。こうした人の多くが、売り手の巧みな口上に誘導され失敗している。あくまで自身のプロジェクトであるという意識をもつことが一番大切なこと。自己責任であるという強い意識をもつことが必要だ。

家づくりは気力と体力と時間がかかる非常に難しいものだ。それだけに「こうした家を建てたいという夢」を実現するための強い意志を最後まで持ちつづけることが成功の秘訣となる。いつが建てどきかは、人それぞれおかれている環境によって違ってくる。しかし、建てたいと感じられたときが建てどきなのだろう。当然ながら、その時におかれている環境が条件となる。その条件を整理し、無理をしないことが大切なことだ。

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
 一級建築士事務所アトリエ4A ホームページ

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