天窓とは?
天窓は「トップライト」「ルーフウィンドウ」とも言われ、屋根や天井の壁に取り付けられます。窓が一面にしかついていない家や、北向きの家で採光が確保しづらい場合に取り入れられることが多いです。天窓の形式には「FIX式(固定式)」と「開閉式」の2種類があり、FIX式は採光の確保のみ、開閉式は採光と通風の確保ができます。
開閉の方法としては、「手動式」と、リモコンなどで操作できる「電動式」があり、最近では雨や室温をセンサーが感知し、自動開閉する天窓も開発されています。
天窓のメリット
では、天窓を取り付けるメリットについて見ていきましょう。
採光が確保できる
天窓の最大のメリットは、前項でもお伝えした通り、天井から降り注ぐ光です。壁に取り付けられる窓の場合、横からの光しか確保できないため、部屋全体を明るくすることが難しかったりもします。
しかし、天窓があれば天空光(空の明るさ)を取り入れることができ、部屋全体を均一な優しい明るさで照らすことができます。
晴れの日だけではなく、曇りの日でも天窓から光を取り入れることができるため、部屋の照明をつけなくても自然な明るさの中で過ごせることが大きなメリットです。
壁面に取り付けるタイプの窓と比べると、採光効果は3倍ともいわれているので、部屋の明るさを確保したい方は天窓の取り付けを検討するといいでしょう。
開閉式なら風通しがよくなる
開閉式の天窓なら、採光に加えて風通しのよさも大きなメリットになります。
空気は比重の関係上、あたたかい空気が上に昇るため、天窓があればあたたかい空気を窓から逃がし、外気を取り入れるため快適な風の流れができるのです。
特に夏場は、部屋を快適な状態に換気できるため天窓が重宝されます。
部屋がオシャレになる
天窓を取り付けることによって、部屋にいながら「空」を感じることができ、日中は青空、夜には星空を感じながら過ごせることもメリットです。
また、天窓から降り注ぐ光によって、部屋に光と影のコントラストができ、おしゃれな空間になります。
天窓部分を吹き抜けにすれば、開放感も感じることができるでしょう。
天窓に取り付けるブラインドやカーテンのデザインも工夫することで、よりおしゃれな空間を演出できますよ。
天窓のデメリット
続いて、天窓のデメリットはどのようなことが考えられるでしょうか。住み始めてからやっぱり天窓をふさぎたいとなると、数十万円の費用が必要になるため、デメリットも知ったうえで検討しましょう。
取り付ける場所によっては陽射しが強くなる。
天窓は、光をふんだんに取り入れられることがメリットですが、一方で夏は太陽の高度が高くなるため、天窓から熱気を取り込んでしまうこともあります。今の窓は、遮熱性能が高くなってはいますが、最近の夏の直射日光は強力です。天窓を取り付ける方角や位置をしっかりと確認しておくと安心ですね。また、熱対策として天窓用のカーテンやブラインドも販売されているため、そちらも検討すると良いでしょう。
中には直射日光を拡散光に変えられる天窓もあるため、夏の暑さが気になる場合は天窓に詳しい業者に相談してみるのもおすすめです。
雨音が気になる
壁に取り付ける窓と比べて、天窓は雨がダイレクトにあたるため、雨が強い時には雨音が気になってしまいます。普通の窓と違って、雨よけを取り付けることもできず、雨音をさえぎることは難しいでしょう。
そのため、寝室や寝室近くに天窓を設置したいと考えている方は注意が必要です。雨音で夜眠れないといった声も聞かれるので、天窓を取り付ける場所は慎重に検討しましょう。
メンテナンスを怠ると雨漏りする場合がある
天窓で必ず怠ってはいけないのが「メンテナンス」です。
通常の屋根でも雨漏りの危険性はありますが、天窓が設置されている場合、雨漏りの危険性は上がってしまいます。開閉ができないFIX窓は、窓の周囲を定期的にチェックする必要があり、開閉式の窓の場合は、窓の周囲に加えて窓自体の状態もチェックする必要があるでしょう。一般的に天窓のメンテナンスは足場を組んで行われるため、外壁の塗り替えや屋根のメンテナンスのタイミングで、天窓のパッキン、防水処理、劣化の度合いを確認してもらいましょう。
天窓のメンテナンスは、最低でも10年おき、できれば5年おきに専門業者にチェックしてもらうと安心です。
また、天窓は施工経験のある業者に任せた方がいいでしょう。天窓の設計に慣れていない業者だと、二次トラブルにつながる可能性もあります。