階段の種類
注文住宅の階段は、注目されづらい部分ですが、階段一つで部屋の雰囲気がガラっと変わることもあります。どんな階段にするかで、利便性やデザイン性が大きく変わるのです。
ここでは、主要な4種類の階段について、詳しく見ていきましょう。
直階段
直階段は、文字通り一直線に1階と2階をつなぐ階段です。昔の日本家屋ではこの階段が主流でしたね。
直階段は、シンプルな構造のため、建築費用を抑えられることがメリットです。また、階段下のデッドスペースが大きくなるため、階段下収納やトイレを設置するなどでも活用できます。
ただし、小さなお子さんがいるご家庭では注意が必要です。直階段の場合、もし階段から落ちてしまうと、止まる場所がないため一気に下まで落ちてしまいます。勾配も急になりやすいため、小さなお子さんや年配の方には危険な面もあるでしょう。
かね折れ階段
かね折れ階段は、階段の途中にある踊り場で90度曲がっている階段です。建物の端に設置する場合に、よく使われます。
踊り場があるため、落下しても途中で止まることができ、直階段に比べると安全です。途中で視点が変わるため、階段部分を吹き抜けにして開放感を出す方もいらっしゃいます。
しかし、踊り場部分に面積が必要なため、建材を多く使う分、コストは上がってしまいます。
折り返し階段
折り返し階段は、踊り場で180度折り返す階段です。踊り場部分をステップにして折り返す場合もありますが、いずれにせよ、途中でU字に上がっていくのが特徴です。
こちらも、かね折れ階段と同じく、途中に踊り場があるため、落下時の危険性は小さいでしょう。踊り場を大きく設置するため、かね折れ階段よりも面積が必要になります。そのため、コストもかさみ、場合によっては住空間が狭くなることもあるでしょう。
らせん階段
らせん階段は、一本の柱を軸にして、らせんのようにステップが配置された階段です。リビングに設置されることが多く、デザイン性を重視しており、オシャレでラグジュアリーな印象を与えられます。他の階段に比べると、省スペースで設置できるため、部屋にあっでも圧迫感を感じにくいです。
ただし、複雑にステップを組み合わせるため、コストは高くなります。また、ステップの幅を大きく取りにくく、2階に家具を運ぶ際には苦労することも多いです。
階段ステップの種類
次に階段のステップの種類について見ていきましょう。
箱型
箱型のステップは、もっともポピュラーなタイプです。文字通り、箱型ステップを積み重ねた階段で、オシャレさよりも実用性を重視しています。
コストを抑えられ、階段下収納など、階段下のスペースを作りやすいことがメリットです。また、最近ではステップ部分を引き出しにして収納にしている方もいらっしゃいます。
このように実用性は高いですが、デザイン面では、次にご紹介する「オープン型」には劣ってしまうでしょう。
オープン型
オープン型のステップは、蹴込み板が設置されていない、踏板部分だけで作られた階段です。ストリップ階段、スケルトン階段とも言われ、視線が抜けるため開放感を感じられます。
箱型に比べるとコストはかかりますが、洗練されたインテリアとして機能するため、住空間をワンランクアップさせてくれます。リビングに設置されることが多く、吹き抜けと併用されることも多いです。
階段を設置する場所によるメリットデメリット
長い期間住み続ける注文住宅では、階段の設置場所も重要です。住んでから後悔することがないように、慎重に場所を決めましょう。
リビング
最近では、リビングに階段を設置するご家庭が増えてきました。将来子ども部屋を2階に作っても、階段がリビングにあれば毎日子どもと顔を合わせられる、リビングに家族が集まりやすくなる、というメリットがあります。また、オープン型のステップやらせん階段など、オシャレな階段を設置すれば、インテリアの一つとしても存在感が大きいです。
一方で、来客時に子どもが1階に降りづらくなる、もしくは子どもの友人が来たときにリビングを見られてしまうリスクがある、というデメリットも。また、リビングに階段への入り口があることで、隙間風に悩まされたり、エアコンの効果が半減する可能性もあります。
玄関ホール
玄関ホールに階段を設置すると、家に入ってすぐに2階へ上がることができます。そのため、来客時にも顔を合わせる必要がなくなります。思春期のお子さんがいらっしゃるご家庭では、むしろ昔ながらの玄関ホール階段がよかった、という声も聞かれます。
リビング階段のように、家族が顔を合わせる機会が減ってしまうことはデメリットです。