和風・和モダンな家の特徴
日本の趣を感じられる和風な家は、古来から日本人が大切にしてきた伝統や風情を重視します。また、最近では純和風だけではなく、和のデザインに現代的な要素も取り入れた「和モダン」も人気です。
「和風の家」と言われる様式では、本来内装や外装のテイストだけでなく、建築工法や建築資材にも違いがありますが、現代では基本的に内装や外装のテイストだけで和風、洋風と区別されることが多いですよね。純和風の家は、家を囲う外壁があり、瓦屋根に白壁、内装には畳を敷いた和室をメインに構成されますが、和モダンの家は「慣れ親しんだ和の安心感」と「現代的で機能的なシンプルさ」を組み合わせているのが特徴です。
洋風の家との違い
和風の家と洋風の家は、建築工法に加え、色使いや間取りなど、多くの面で異なります。
洋風の家の建築工法は「木造枠組壁工法」と言われる方法で、面を組み立てて支える工法なので、職人の腕に左右されにくいです。一方、和風の家の建築工法は「木造軸組工法」と言われ、梁や柱に筋交いを入れ、線で組み立てる昔ながらの工法が使われます。
このように建築工法に違いはあれど、先ほどもお伝えしたように、現代は内装や外装のテイストで「和風」「洋風」と区別されることがほとんどです。
外装で使われる資材や色使い、内装の資材や色使い、家具のチョイスなどを工夫することで、和風の家、和モダンの家を作り上げることも可能です。
和風・和モダンの魅力とは
では、和風や和モダンの家の魅力はどのようなところにあるのでしょうか。
木を取り入れたデザイン
和風の家は「木」を効果的に取り入れます。
例えば、大きな「梁」なんかは日本家屋によく見られますよね。家を支えている梁や柱をデザインの一つとして取り入れる「現し」という技法は、日本の建築様式から生まれたものです。また、床を無垢材にしたり、ダイニングテーブルに一枚板を取り入れたりと、木の使い方、魅せ方は和風の家に見られる魅力の一つです。
特に木の質感や木目を強調したデザインは「和」を強調し、日本の伝統的な美を演出してくれます。
日本の夏や湿気に強い
日本の気候は高温多湿で、特に梅雨の時期は湿気が多く、過ごしづらい日が多いです。和風の家は木材をふんだんに使って建てられるため、湿気を吸収し、過ごしやすい湿度を保ってくれます。
また、日本家屋の特徴の一つである「土壁」も、湿気を調節する効果があり、通気性も抜群です。日本のじめじめした夏を快適に過ごすことができるのは和風の家の特徴でしょう。
さらに、外観によく見られる大きな庇や軒は、夏の強い日差しをさえぎる役割を持ち、暑い日でも快適に過ごすための工夫があります。
日本の趣を感じる内装
和風の家は、内装にも大きな特徴があります。
前述した、梁や柱を魅せる技術もそうですが、光をやわらかく取り入れる障子、足触りのいい畳も、日本の伝統を感じますよね。壁紙は茶色や紺、緑など深みのある色を取り入れることで、和の雰囲気になります。また、アクセントクロスで和柄や朱色を取り入れることで、ワンランクアップした和の雰囲気を演出できるでしょう。
和風・和モダンな家を作るときの注意点
続いて、和風・和モダンな家を作るときの注意点を見ていきましょう。
深みのある色で落ち着いた印象に
和風の家は、色のチョイスで大きく雰囲気が変わります。洋風な家によく使われるパステルカラーやポップな色味などは和風の家には合いません。基本的に彩度の高い色は避けた方がいいでしょう。
和風の家は茶・紺・緑など、深みのある色で統一することで、落ち着いた和を表現します。朱色や黄金といったカッコイイ色味は、ベースに使用することは避け、テーブルクロスやクッションカバーなど一部に取り入れてアクセントにしましょう。
メリハリをつけてコストを抑える工夫をする
和風の家は、理想をすべて実現しようとするとコストがかかります。一般的な現代の家に比べて、和風の家に使われる資材は、高価なものが多いからです。
例えば、壁紙よりも漆喰の方が価格が高く、床材も合板フローリングよりも無垢材の方が高い場合が多いでしょう。また、見せ梁や柱などに使われる木もこだわった分だけコストは上がっていきます。
和風の家に見られるすべてのデザインを取り入れることが必ずしもいいとは限りません。漆喰はリビングと寝室だけにする、無垢材を使うにしても、比較的安価な杉を使うなど、自分が譲れないポイントはどこかを検討しましょう。
最近は和紙を使った照明や、メンテナンスが少なく済む畳、和柄の壁紙なども充実しています。和を取り入れるポイントを決めて、メリハリをつけたコスト設計をしましょう。